連載コラム

フランスで始まった原子力発電の衰退 英語オリジナル

2017年11月17日 ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

 原子力発電の依存度が世界で最も高いフランスで、原子力事業の基盤が揺らぎ始めた。コストの上昇と安全性の懸念、さらに政府の意向も加わって、原子力発電を縮小する動きが進んでいる。

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自然エネルギーよりも原子力を推進?
経済産業省が開始した国民向けの情報発信
英語版

2017年11月10日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 経済産業省は国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」の見直しを進めているさなかに、国民に向けた情報発信をウェブサイトで開始した。「スペシャルコンテンツ」と呼ぶコーナーで電力・エネルギー関連の解説記事を連載中だ。ところが現行のエネルギー基本計画で示した「再生可能エネルギーの最大限の導入」と「原発依存度を可能な限り低減」という2つの重要な方針に反する内容が随所に書かれている。原子力と自然エネルギー(再エネ)に関して国民をミスリードするような主張が目立つ。

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米国で進む自然エネルギー電力の購入
―IT産業を先頭に製造業や流通業に拡大―

2017年10月17日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 企業が利用する電力は世界各地で自然エネルギーに向かっている。特に米国企業の動きが顕著だ。GoogleやAppleなどIT(情報技術)の大手が先導役になり、自然エネルギーの電力に転換する取り組みが製造業から流通業まで各業種に広がってきた。背景にあるのは気候変動に対する強い危機感である。石炭産業の復活を目論むトランプ大統領の方針が米国内の危機感を高め、自然エネルギーに対する企業の活動を加速させている。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.8
明治時代の水路を再生して小水力発電
―岐阜県・中津川市で地域連携のモデルに―

2017年10月10日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 古くから中山道の要所として発展してきた岐阜県の中津川市は、木曽川が流れる水の豊富な地域だ。明治時代に造られた農業用水路を利用して、小水力発電所が2016年4月から運転を続けている。民間企業2社による共同事業体が農業用水路の管理組合と連携して運営する。老朽化した水路を全面的に改修して発電に利用する一方、設備の点検・清掃業務を管理組合に委託するなど地域のメリットを重視して取り組んでいる。

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バイオマス混焼:石炭火力の削減に繋がる制度に 英語版

2017年9月27日 相川高信 自然エネルギー財団 上級研究員

 バイオエネルギー利用のあるべき姿は、地域のバイオエネルギー資源を廃棄物や副産物から優先的に燃料として利用し、熱利用もしくは熱電併給を基本とするものだ。燃料の集荷距離や熱利用範囲を考慮すれば、必然的に中小規模で分散型の配置となる。しかし、現状の日本のFiT制度は、このような利用のインセンティブとなっておらず、むしろ多くの問題を抱えている。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.7
富士山の麓で木質バイオマス熱利用に挑む
―静岡県・御殿場市の森林から未利用間伐材を調達―

2017年9月26日 北風亮 自然エネルギー財団 上級研究員

 精密機器メーカーのリコーが静岡県・御殿場市で、地域の未利用間伐材を使ったバイオマス熱の利用に取り組んでいる。御殿場市や地域の企業とともに木質バイオマスエネルギーの地産地消モデル(御殿場モデル)を構築。市内の森林から発生する間伐材をチップに加工して、同社の開発拠点の空調や給湯の熱源として利用する。

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リスクの高いパーム油発電:持続可能性基準づくりを急げ 英語版

2017年9月4日 相川高信 自然エネルギー財団 上級研究員

パーム油を使ったFiT発電の動き

 バイオマス発電の固定買取価格制度(FiT)による認定量が急増している。2017年3月末の認定量は1,200万kWを上回り、特に輸入材を用いる「一般木質・農業残渣」が1,100万kW以上を占めている。2016年11月時点で、自然エネルギー財団は提言を発表し、このままでは燃料不足が懸念されること、依然として熱電併給が進まないことなどの問題点を指摘した 1 。しかし、提言発表時から1年以内に一般木質の認定量はさらに800万kWも増加し、今後の対策を早急に講じる必要がある 2 。そんな中、パーム油を使う発電所がFiT認定を受けて稼働を始めるという、新たな問題が発生している。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.6
太陽光パネル4200枚の下で農作物を栽培
―鳥取県・北栄町でソーラーシェアリング実用化―

2017年8月25日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 農地を活用して太陽光発電と農業を両立させる「ソーラーシェアリング」に注目が集まっている。鳥取県の北栄町(ほくえいちょう)にある農地では、2年前の2015年11月から大規模なソーラーシェアリングを実施中だ。農地の上部に高さ2.5メートルで4200枚の太陽光パネルを設置して、その下で農作物を栽培する。発電能力は1MW(メガワット)で、年間に約4000万円の売電収入を見込める。優良な農地を太陽光発電に利用するために厳しい条件をクリアした。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.5
風力発電1000基に向けて第1弾が稼働
―秋田県・男鹿市の沿岸部にある県有地に―

2017年8月10日 北風亮 自然エネルギー財団 上級研究員

 秋田市から男鹿(おが)半島にかけての海岸線一帯には防風林が広がり、ほとんどが県有地となっている。県は風力発電の適地でもある県有地の公募を実施し、100%地域資本の「株式会社風の王国」を事業者として選定。地元の企業や金融機関の協力を得て、2016年11月に「風の王国・男鹿風力発電所」が運転を開始した。プロジェクトを主導したのは地域の将来を見据えた構想を描く山本久博氏である。

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日本における42基の石炭火力新増設計画のビジネスリスク
―2026年度の設備利用率は50%を割り込む可能性―
英語版

2017年7月31日 大久保ゆり 自然エネルギー財団 上級研究員
大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

 パリ協定の成立・発効以降、世界的には、脱炭素経済への転換をめざし、石炭ビジネスから撤退する動きが進んでいる。ところが日本では福島原発事故後、すぐには再稼働できない原子力の代替として、また今後の電力需要増加見込みの対応として、更には、電力自由化の中で新規参入や他地域への参入に必要な安価な電源確保を目的として、石炭火力の新増設計画数は42基(1860万kW)に膨れ上がった。こうした石炭火力発電所の新増設計画に対しては、これまで二酸化炭素排出量を大量に増加させることや、地域の環境悪化を招くことなど、主に環境面から厳しい批判がなされてきた。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.4
地熱発電で年間6億円の収入を過疎の町に
―熊本県・小国町の住民30人が合同会社で事業化―

2017年7月25日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 温泉旅館が点在する熊本県・小国町の「わいた地区」では人口の減少が続き、高齢者の比率は4割近くに達している。地域の活性化を目指して、豊富にある地熱資源を新たな収入源に変えるプロジェクトが住民主導で進んできた。住民30人で構成する合同会社が発電事業者と共同で地熱発電所を建設・運営して、年間に約6億円の収入を生み出す。地下から湧き出る高温の蒸気を利用して高効率のフラッシュ方式で発電する。温泉資源の枯渇を防ぐ対策を実施しながら、発電後の温水を使って販売単価の高い野菜の栽培にも着手した。

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気候変動がもたらす企業の財務インパクトを開示へ
―世界の100社以上が賛同した「TCFD」―

2017年7月4日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 世界経済の安定を図るための国際組織「FSB(金融安定理事会)」のもと、気候変動が企業の財務に与える影響を分析して開示する「気候関連財務ディスクロージャー」の詳細が確定した。世界32カ国の専門家で構成するタスクフォース「TCFD(Task force on Climate-related Financial Disclosure)」が情報の開示方法をまとめた最終報告書を6月29日に公表して、100社を超える金融機関や巨大企業が賛同を表明した。化石燃料の継続使用や自然エネルギーの導入拡大が企業の収支・資産などにもたらすインパクトを定量的・定性的に分析して開示する取り組みである。投資家や金融機関が企業を評価する際の国際的な指標になるもので、電力会社をはじめエネルギー産業の評価にも大きな影響を与える。

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インド:持続可能な発展を自然エネルギーに託す

2017年6月30日 小端拓郎 自然エネルギー財団 上級研究員
大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

 自然エネルギー財団は、2017年6月5日から9日にかけてインドを訪問し、電力政策や国際送電網構想についての調査を実施した。また、ここ数年急速に大量導入されている太陽光発電の現場を視察した。今回は、自然エネルギーの躍進により大きく転換されつつあるインドの電力政策の現状について、速報をお届けする。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.3
水上に太陽電池パネル3700枚が浮かぶ池
―岡山県・笠岡市でフロート式の太陽光発電所―

2017年6月28日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 瀬戸内海に面して雨が少ない岡山県の笠岡市には、海を埋め立てた干拓地が広がっている。その一角に、雨が降った時の水量を調整する「十一番町遊水池」がある。広さが2万6000平方メートルの池の水上に、3700枚を超える太陽電池パネルが並んでいる。大阪ガスグループのエナジーバンクジャパンが運営する水上フロート式の太陽光発電所だ。水に浮かぶ高密度ポリエチレン製のフロートの上に太陽電池パネルを設置して、年間に300世帯分の電力を供給できる。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.2
バイオマス発電を支える地域の木材と運転ノウハウ
―岡山県・真庭市で2万2000世帯分の電力を作る―

2017年6月20日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 中国山地のほぼ真ん中に位置する岡山県の真庭市は県内最大の面積があり、そのうち8割を森林が占めている。ヒノキの産地として有名で、市内には約30社の木材加工会社が操業中だ。製材後に出る端材のほか、森林で大量に発生する間伐材の有効利用を目指して、「真庭バイオマス発電所」が2年前の2015年4月に運転を開始した。地域ぐるみで整備した木材の調達能力に加えて、木材加工会社が積み上げたバイオマス発電所の運転ノウハウを生かす。

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日本企業も「100%自然エネルギー」へ動き出す
―海外の投資家や取引先から要求が高まる―

2017年6月14日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 事業活動で消費する電力を「100%自然エネルギー」へシフトする動きが世界各地で加速している。日本ではリコーが2050年までに電力の100%を自然エネルギーで調達することを宣言した。先進的に取り組むAppleは全世界のオフィスや店舗のほか、大量の電力を消費するデータセンターを含めて、すでに電力の96%を自然エネルギーで調達している。Appleは部品の供給先にも自然エネルギーの利用を求め、日本ではイビデンがApple向けの製品を100%自然エネルギーの電力で製造することを約束した。

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2017年春も出力抑制なしで乗り切った九州電力 英語版

2017年6月12日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員
分山達也 自然エネルギー財団 上級研究員

 九州は、日本でもっとも太陽光発電の導入量が伸びている地域だ。離島ではすでに実施されているが、今年は九州本土でも太陽光の出力抑制が行われるかと懸念されていた。しかし、太陽光の出力抑制なしで、2017年4月、5月を乗り切ったようだ。春季の休日は、冷暖房需要が少ない時期のため、電力需要が特に落ち込む時期とされている。同時に、1年の中で日射量も強まる時期であるため、天候に恵まれれば、太陽光の発電出力が高まる時期でもある。九州電力の発表によると、九州電力エリアで4月23日午後1時に太陽光の出力が需要の76%をまかなった(図1)。23日の太陽光の最大出力は607万kWに達し、他方で九州電力管内の電力需要は798万kWであった。

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何も得るものがないトランプ大統領 英語オリジナル

2017年6月12日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
(初出:ETC Göteborg、2017年6月7日付;原文スウェーデン語)

 トランプ大統領は、気候変動リスクの軽減を目指すパリ協定からの離脱方針を表明した。自分は「パリ市民ではなくピッツバーグ市民のために選ばれたから」だという。もっともらしい理由に聞こえるが、賢明な選択ではない。国際的気候政策は、パリの市民を保護するためのものではなく、人類の苦しみや多数の難民につながる、非常に急速な気候変動から世界を守るためものである。

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世界の取組から学ぶバイオエネルギーの基本原則
―バイオエネルギー国際シンポジウム報告―

2017年6月8日 相川高信 自然エネルギー財団 上級研究員

 自然エネルギー財団では、世界バイオエネルギー協会(WBA: World Bioenergy Association)の理事等中心メンバーの来日に合わせ、2017年5月、東京と長野で2つの国際シンポジウムを開催した。当財団の大林ミカ事業局長が、WBAの理事に就任し、理事会を日本で開催することになったことがきっかけとなり、実現したものである。
 脱炭素化に向かう世界におけるバイオエネルギーの役割を再確認するとともに、政策やビジネスの最新動向を俯瞰できたという点で、大変有意義なものになった。全ての講演資料は、当財団のホームページで閲覧可能になっており 1 、それぞれに示唆的な内容が豊富に含まれているが、本稿では、2日間のシンポジウムを通じて再確認されたバイオエネルギーの基本戦略を、3点に絞って紹介したい。

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自然エネルギーは止まらない
トランプ大統領のパリ協定脱退方針の表明に寄せて
英語版

2017年6月2日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

 米国のトランプ大統領は、日本時間の2017年6月2日午前4時、米国がパリ協定を脱退する方針を表明した。世界第2の温室効果ガス排出国である米国が、200近くの国々が参加するパリ協定から脱退することは、大いに無責任かつ大変遺憾である。

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日本でも太陽光発電のコストがガス火力より安く
-2017年上期のベストケースで10円/kWhを切る-
英語オリジナル

2017年5月26日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員
石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 米国の調査会社Bloomberg New Energy Financeによると、2017年に入って日本で稼働した太陽光発電所のコストをガス火力発電と比較した結果、最もコストが低いベストケースでガス火力発電よりも安くなった。日本では太陽光や風力の発電設備に対する送配電網の接続制限をはじめ不合理な規制が残っているが、そうした問題点を改善すれば、太陽光に限らず風力や地熱など自然エネルギーの電力を安価に導入できる。

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太陽光発電の設備容量が日本で原子力を超える
―年間の発電量は2016年度で2倍以上に―
英語オリジナル

2017年5月19日 ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員
トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 2012年7月に固定価格買取制度が導入されて以降、日本の太陽光発電設備は急速に拡大してきた。その結果、2016年末の時点で、ついに太陽光発電の設備容量が原子力を上回った。日本でも欧米と同様にエネルギーの転換が着実に進んでいることを示す1つの指標と言える。

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シリーズ「自然エネルギー活用レポート」No.1
小水力発電の投資回収を7年で可能に
―和歌山県・有田川町の町営事業―

2017年5月16日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 人口2万7000人の和歌山県有田川町(ありだがわちょう)では、県営のダムから放流する河川維持放流水を生かして小水力発電に取り組んでいる。2016年2月に「有田川町営二川(ふたがわ)小水力発電所」の運転を開始して、わずか7年で初期投資を回収する計画だ。総額で2億8600万円の事業費は町の資金でまかなった。年間の売電収入は約5000万円を見込み、役場の職員が発電所を運営して投資回収を早める。

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日本の自然エネルギーコストが安くなるのはいつなのか? 英語オリジナル

2017年5月12日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

 これまで、洋上風力発電はコストの高いものだった。化石燃料火力より高く、欧州で新設される原子力発電より高い場合もあった。しかしながら、昨年、欧州のいくつかの国では、洋上風力発電からの電力調達価格が急激に下落した。

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洋上風力の電力がプレミアムなしの市場価格に
―ドイツの第1回入札で、2024年に供給開始―

2017年4月25日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 自然エネルギーの拡大と原子力の撤廃に取り組むドイツで、洋上風力を対象に実施した第1回の入札結果が明らかになった。2021年から2025年までに運転を開始する上限1550MW(メガワット)の洋上風力発電所を募集したところ、最も安い入札価格の4件が決まり、そのうち2件は買取制度に伴うプレミアム(上乗せ分)がゼロだった。運転開始後は卸電力取引の市場価格で洋上風力の電力を供給することになる。

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米アップル社:100%自然エネルギーを実現するー「REvision2017」より

2017年4月21日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

 2017年3月8日に開催された自然エネルギー財団の年次国際会議「REvision2017:自然エネルギーが切り拓く未来」は、世界各地で起こりつつある自然エネルギー基幹電源時代の到来を告げるものだった。

 今回は、100%自然エネルギー利用に邁進する大企業や、大規模な自然エネルギー事業投資に移行する既存のエネルギー企業など、自然エネルギーを取り巻く新しいビジネスのあり方に焦点をあてた。世界ではすでにビジネスモデルの中に自然エネルギーを組み込み、供給側だけでなく需要側の自然エネルギー利用が拡大している。

 中でも印象的だったのが、米国に本拠をおくアップル社の取組だ。以下では、当日登壇したアップル社環境イニシアティブ・サプライヤー・クリーンエネルギー・プログラム ヘッドのケイティ・ヒル氏が報告した取組に、その後の新しい報道の内容も追加してレポートする ⅰ 

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自然エネルギーを促進する「非化石価値取引市場」
―大きな期待と残された課題―

2017年4月20日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 2017年度から改革が始まる新しい電力市場の先頭を切って、「非化石価値取引市場」の創設準備が進んでいる。CO2(二酸化炭素)を排出しない自然エネルギーと原子力による発電設備を「非化石電源」と位置づけ、発電した電力の「非化石価値」を証書で売買できる注目の新市場だ。

 国全体でCO2排出量の削減を推進することが狙いだが、とりわけ重要な点は自然エネルギーの価値を高めて導入量の拡大につなげることにある。新市場には大きな期待を持てる一方、実効性の観点から課題も少なくない。自然エネルギーを促進する役割を果たすうえで、「非化石価値取引市場」に対する期待と課題を制度面から洗い出してみる。

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2030年に自然エネルギーの電力30%超へ
―原子力の再稼働に頼らない政策の重要性―

2017年4月14日 石田雅也 自然エネルギー財団 自然エネルギービジネスグループマネージャー

 政府が4月11日に「再生可能エネルギー・水素等関係閣僚会議」の第1回の会合を開催、自然エネルギーの導入拡大に向けて2020年度までに実施する「連携アクションプラン」を決定した。経済産業省や環境省など7つの府省庁が連携するプロジェクトで、12分野に及ぶ施策と実行スケジュールをとりまとめたものだ。

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日本における原子力発電の代替策と貿易収支への影響 英語オリジナル

2017年3月17日
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員
トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
エイモリー・B・ロビンス ロッキーマウンテン研究所 共同設立者、チーフサイエンティスト

2011年3月、東京電力福島第一原子力発電所で複数回にわたって炉心溶融がおこり、放射性物質が太平洋に流出し始めた。日本で想定される地震や津波に耐える設計だと保証されていた原子力発電所の安全性は、この事故によって覆され、原子力業界は国民の信頼を失った。その翌年、停止中の原子炉は再稼働の許可を得られず、2012年の短期間、2013年の一時期、そして2014年は年間を通じて、日本国内のすべての原子力発電所が稼働を停止した。2016年末の時点で、日本にある約34 GWの「稼働可能な」原子力発電所は、容量加重平均で5.2年間停止しており、その多くは明確な再稼働の見通しが立っていない。それでも、日本政府は依然として国際原子力機関(IAEA)がこれらの原子力発電所をすべて「稼働可能な」設備と位置付けていると主張している。明らかにIAEAの定義に違反しているにもかかわらずである ⅰ 

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第9回 欧州での自然エネルギー市場の発展
英語オリジナル

2017年1月13日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

 電力系統では、発電と消費の同時同量を保つことが必要である。これが損なわれると、電圧や周波数が安定せず、停電が起こる可能性もある。そのため、競争のある電力市場では、電力の買い手と売り手が契約を結ぶときには、系統への給電量とその消費量の同時同量を担うのはどこなのかを決めておくのが原則となっている。

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自然エネルギーが脱炭素社会への扉を開く
―2017年、自然エネルギー100%への転換を日本からも

2017年1月5日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

自然エネルギー発展の画期となった2016年
 世界の自然エネルギー導入量は過去数年、急速に拡大してきました。2016年末の導入量はまだ明らかになっていませんが、風力発電は5億kW、太陽光発電は3億kW近くに達したのではないかと見込まれます。5年前の2011年末と比較すると、風力は2倍以上、太陽光は4倍以上という高い水準です。
 昨年の自然エネルギーの発展に関して、導入量の大きさ以上に画期的だったのは、そのコストが劇的な低下を続けたことです。風力発電は、既に昨年1月にモロッコで行われた入札で1kWhあたり3.0セントというレベルまで低下していましたが、太陽光発電も昨年中に世界各地で行われた入札で、次々に最安値を更新し、9月にアブダビで行われた入札では、2.42セントという水準に至りました。今や日照時間など条件に恵まれた地域では、太陽光発電は従来からの火力発電だけでなく、風力発電よりも安い電源になっているのです。
 自然エネルギーの発電コストの低下は今後も続くと予測されています。国際再生エネルギー機関(IRENA)が昨年6月に公表した報告書(“THE POWER TO CHANGE”)では、2015年から2025年までに、大規模太陽光発電の導入コストは、世界平均で57%下落するとしています。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第8回 電力システム改革を真に貫徹するために:集中型から分散型へ

2016年12月26日 高橋洋 自然エネルギー財団 特任研究員

 3ヶ月程度の議論を経て2016年末に結論を出した、経済産業省の「電力システム改革貫徹のための政策」については、このシリーズで指摘されてきた通り、極めて問題が多い。
 東京電力が起こした過酷事故の費用を原発とは無関係な事業者に負担させることは、汚染者負担の原則に反する。その理屈は、積み立てが不十分だった事故費用を「過去分」として消費者から追加徴収するものであり、商取引の原則から逸脱している。託送料金に上乗せする徴収方法は、会計原則に反し不適切かつ不透明である。それは結果として消費者の選択権を侵害する。容量市場は必要性に乏しい上、火力発電などへの不適切な補助金となる。
 これらの上に筆者が本稿で指摘したいのは、上記の政策の抱き合わせが、電力システム改革の本旨に反し、貫徹どころか全く反対の方向に導くということである。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第7回 電気のCO2排出削減政策としての非化石価値取引市場について

2016年12月16日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

 「貫徹小委 ⅰ 」では様々な市場に関わる議論がなされている。そのうちの一つ非化石価値取引市場(以下、非化石市場と呼ぶ)について取り上げる。そもそも、この議論の根元は、日本の地球温暖化対策の目標に関係している。長期エネルギー需給見通し(以下、エネルギーミックス)では、2030年度に電気からのCO2の排出係数を0.37kg/kWhに引き下げることを目指している。2015年度のCO2排出係数は0.54kg/kWh ⅱ であるので、今後約31%引き下げる必要がある。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第6回 「新電力の負担」が誤解を招く
~本質的に公平性を欠くのはなぜか?~

2016年12月12日 安田陽 京都大学大学院経済学研究科再生可能エネルギー経済学講座特任教授

 現在、経済産業省「電力システム改革貫徹のための政策小委員会」(以下、貫徹委員会)でさまざまな議論が急速に進み、公平で透明な市場設計という観点から大いに疑問符が付く決定が行われようとしている。諸問題がパズルのように複雑に絡み合って錯綜を極めており、多くの国民や市場関係者に誤解や無関心が生まれている。特に原発廃炉費用の「新電力の負担」というマスコミ等の表現は誤解を生みやすく、混乱に拍車をかけている。本稿ではできるだけシンプルに、何が「本質的に公平性を欠くのか」について解説する。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第5回 消費者の立場からみた廃炉費用と託送料問題
英語版

2016年12月12日 二村睦子 日本生活協同組合連合会組合員活動部長

 消費者団体は、長らく「公共料金」として電気料金の問題に取り組んできた。公共料金としての電気料金は値上げの際には国への認可申請が必要で、消費者委員会 ⅰ への諮問や公聴会の開催が義務付けられていた。消費者委員会には消費者代表が複数名参加し、また公聴会では当該地域の消費者団体の代表が意見を述べるなど、(十分かどうかは別にして)消費者の関与が保障されていた。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第4回 原発会計はどこまで特殊か
英語版

2016年12月2日 金森絵里 立命館大学経営学部教授

 福島第一原発事故による賠償・除染・廃炉の費用を、電力システム改革後も原発事業者のみならず新電力にも負担させる制度づくりが進められている。負担させる方策としては、送配電会社の託送料金に含めるとする案が最も有力であり、料金制度と関係の深い財務会計に関するワーキンググループが設置されこれまでに5回の会議が開催されている。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第3回 容量メカニズムは、今、日本に必要か
容量メカニズムをめぐる議論の整理と問題点
英語版

2016年12月2日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

 現在、市場整備ワーキンググループ(以下、WGと略記)で、容量メカニズムの導入の議論が行われており、WGの議論ではすでに制度設計の話にまで進んでいる。
 しかし、そもそも容量メカニズムとは何か、なぜ必要とされているのか、について一般にわかりやすく周知されていない。そこで、本稿では、容量メカニズムが日本の現状からいって導入すべき段階にあるのかについて論じるとともに、現在議論されている集中型容量市場について主な導入課題や導入時の論点について述べたい。

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検証:2016年版「原発停止による国富流出」試算
原発停止でも燃料費は減少
英語版

2016年11月29日 分山達也 自然エネルギー財団 上級研究員

 日本では、2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故以来、原子力発電所のほとんどが稼働停止されている。2016年11月半ば現時点で運転中のものは、九州電力川内2号基、四国電力伊方3号基の2基である。2010年には、日本の総発電量の約3割を原発が占めていたが、現在は1−2%になる。

 そのため、この数年間、経済産業省は、電力需給検証小委員会等で、「原発停止で輸入燃料依存が増え『3兆円から7兆円の国富が流出』している」と主張してきた。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第2回 廃炉会計制度の維持と「広く負担を求める措置」
―財務会計ワーキンググループ(WG)の議論と問題点
英語版

2016年11月28日 工藤美香 自然エネルギー財団 上級研究員

 電力に関する会計は特別で複雑である。まず、電気事業は一般企業と違い、「電気事業会計規則」に従う。その中でも原発は一般の発電施設から区別され、1969年以降、特別な会計制度が数度にわたり作られてきた ⅰ 。具体的には、原発への初期投資に関する原子力発電工事償却準備引当金や、原発を廃止する際の費用に関する使用済燃料再処理引当金、原子力発電施設解体引当金、特定放射性廃棄物処分費の制度がある。この特殊な会計制度が改正を重ね複雑になり、原発の事業が一体どうなっているのか、会計上非常にわかりにくく、見えにくくなっている。

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シリーズ「電力システム改革の真の貫徹」を考える
第1回 電力システム改革をめぐる議論を検証するコラムを開始します
英語版

2016年11月21日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

 東京電力福島原発事故以降、日本では、2015年の「電力広域的運営推進機関」(OCCTO)や「電力・ガス取引監視等委員会」の設立、2016年4月から小売りの全面自由化の実施、2020年4月に予定される発電と送配電の分離(東電は2016年4月に先行実施)など、電力システム改革のための一連の施策が実施・予定されている。2012年に導入された自然エネルギーの普及を促す固定価格買取制度も、電力市場のあり方を変えていく方策の一つである。

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洋上風力のコストが大幅低下-10ユーロセント/kWh割れが現実に-

2016年10月27日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

1. 高まる洋上風力への期待
 洋上風力への期待が高まっている。周囲を海に囲まれ、排他的経済水域第6位を誇る日本は、地理的に恵まれている。一般に、陸上よりも風況がよく、沖合では景観・騒音等の問題が生じにくいことも魅力である。洋上風力の課題は、陸上の2~3倍ともいわれるコストであるが、洋上風力導入量の9割を占める欧州で、急激にコストを下げてきている。日本のFIT価格はkWh当たり36円であるが、欧州では10ユーロセントを切る事例が出てきた。日本は、遅れている陸上と同時に洋上の開発も現実性を帯びてきた。欧州の洋上ノウハウは確立されつつあり、これを参考にできるからだ。

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2016年5月 自然エネルギーの割合が月間ベースで20%以上を達成 英語版

2016年9月8日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

 日本では、電力に占める自然エネルギーの割合は長らく10%程度で、そのほとんどは水力が占めていた。しかし、固定価格買取制度のもと、自然エネルギーは着実に増加している。2015年度の年間発受電量に占める廃棄物・揚水発電をのぞいた自然エネルギーの割合は14%にまでなった。

 さらに、月間ベースでみると、2016年5月には自然エネルギー電力の割合がついに20%を超えて、約21%に達した(図を参照)。つまり、単月ではあるものの、政府の長期エネルギー需給見通し(2015)で定められた、2030年の自然エネルギー目標22〜24%に、近づいている。

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ドイツの「再生可能エネルギー法」改正

2016年8月24日 一柳絵美 自然エネルギー財団 研究員

7月8日、ドイツの「再生可能エネルギー法(EEG)」の改正が連邦議会(下院)で可決され、同日、連邦参議院(上院)でも承認された。通称「EEG2017」と呼ばれるこの改正法は、2017年1月1日から施行予定。総電力消費量に占める自然エネルギーの割合を、2025年までに40~45%、2035年までに55~60%、2050年までに少なくとも80%まで高めるとしている 1 。この目標値は、現行法から据え置きとなる。

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日本海エネルギーコリドー構想

2016年6月30日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

【北前貿易を支えた日本海の風】
 少子高齢化社会が進むと、限界的な集落、町村を維持できなくなる。北日本海地方は、交通の便がよくないこともあり、その候補地と言われており、地元の憂慮は深い。一方、海に面しているメリットは本来大きい。遠く縄文時代は、日本海を舞台に活発な交易が行われたことが判明している。江戸時代は、酒田が北前船貿易の拠点となり、最上川流域の紅花、米等が上方に送られた。酒田地区は比較的地盤が堅固であることもあり、当エリア最大の拠点となった。

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本格的ファンド登場で高まる再エネ普及への期待

2016年6月27日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

1. 政投銀が本格的な風力ファンドを組成
 2016年1月13日付け日経新聞に画期的な再エネ資金調達に係る記事が載った。日本政策投資銀行㈱と日本風力開発㈱とにより、500億円の「風力ファンド」を創設する。
 出力規模で業界第3位の日風開は、保有する全発電設備をファンドに売却し、売却資金を新規開発資金に充てる。同社は、今後数年で約50万kWの開発を見込んでおり、短期間に巨額の資金が必要となる。同社に限らず、歴史の浅い再エネ事業は資金調達が大きな課題である。特に再エネ普及が出遅れた日本では、時代の要請に追いつくために短期間で大規模な開発が必要であり、ファイナンスは普及のカギを握る。

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世界の素晴らしい進歩から目をそらすな 英語オリジナル

2016年6月14日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

日本のエネルギー業界は、発電のためにウランと石炭のどちらを輸入するべきか議論しているようだが、世界の国々は、別の素晴らしい解決策をとっている。ここ数カ月間に発表されたデータを見れば、このことは明らかだ。

2015年の米国の発電データが発表され、2010年比で目覚ましい進展があったことが明らかになった。化石燃料による電力は150TWh(1,500億kWh)以上減少し、原子力も10TWh(100億kWh)減少した。成長したのは自然エネルギーによる電力で、2015年には2010年比で約135TWh(1,350億kWh)増加した。

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脱炭素へのパラダイムシフト
「REvision2016 自然エネルギー 飛躍の時」 閉会の辞より

2016年4月28日 末吉竹二郎 自然エネルギー財団 副理事長

 3月9日に当財団主催で開催した国際シンポジウム「REvision2016 自然エネルギー 飛躍の時」で、国内外の専門家に自然エネルギーの状況を語っていただいた。「日本もようやく頑張り始めたが、世界はもっと遠くへ行ってしまったのではないか」というのが、率直な総括である。

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ドイツのエネルギー転換 過去5年間の電力部門での主な動向10点

2016年4月15日 一柳絵美 自然エネルギー財団 研究員

3月9日、ドイツのシンクタンク「アゴラ・エナギーヴェンデ」は、福島第一原発事故から5年を迎えるにあたり、ドイツのエネルギー転換のこれまでの成果を発表した ⅰ 。今回は、この発表の中から、エネルギー転換の電力部門における過去5年間の主な動向10点を紹介する(以下、アゴラ・エナギーヴェンデのプレスリリースより一部翻訳)。

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電力自由化と自然エネルギー電気の小売り

2016年3月29日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

 2016年4月1日からの電力の小売り全面自由化を控え、料金を中心とした宣伝合戦が盛り上がる中で、自然エネルギーの電気を選べないという不満の声が上がっている。そもそも日本の小売り全面自由化の直接の背景は、福島第1原発事故であった。消費者として自然エネという電源を支援したい、過酷事故を起こさない電力会社を選択したいという声が高まり、これまで大口に限定されていた自由化市場を拡大する一因となった。その頃から消費者団体や市民グループには、「多少高くても自然エネルギー100%の電気を選びたい」という根強い期待があり、それに応えるために自然エネ小売り事業を始めようというベンチャー企業や生協もあった。それが実現しないとすれば、期待が失望に変わってもやむを得ないかもしれない。それにはいくつかの技術的・制度的な理由がある。

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震災5年後の電力自由化 — 電力を選択し、社会を選択しよう

2016年3月29日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

 2016年4月1日から、いよいよ、日本でも電力小売市場の全面自由化が始まり、一般家庭も電気の購入先を選ぶ事ができるようになる。90年代後半から少しずつ進められてきた電力制度改革の流れの中で、2000年以降は2000kW以上(契約口数9千件)、2004年からは500kW以上(同4万件)、そして2005年からは50kW以上(同70万件)の需要家は、電力メニューや、地域独占の大手電力会社以外を選ぶことができるようになっていた。日本の電力市場全体の約6割にあたる。今回は、一般家庭など、残されていた4割弱の50kW未満の市場が自由化されることになる。

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信念と希望、そしてエネルギー革命 英語オリジナル

2016年3月28日 スティーブ・ソーヤー 世界風力エネルギー会議(GWEC)事務局長
(初出2016年2月10日付ハフィントンポストGreen Energy)

 この30年間、地球温暖化防止のために自然エネルギー革命をめざす闘いを続けてきた。それが人類の究極の利益につながるという信念と、自分たち自身を解放する手段になるという望みに突き動かされてきたのだ。2004年の秋にロシア下院が京都議定書批准法案を可決し、京都議定書が発効したときには、希望の光が差したと感じ、仲間とウォッカで何杯も祝杯をあげた。そのときは、結局期待どおりにはならなかったが、しかし、今回のパリ協定の締結を迎え、自然エネルギー産業による最新の統計でもいい数字が出てきている。もう技術は準備万端のようだ。今、問われているのは私たちの意志なのだ。

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2015年:ドイツの風力発電にとって重要な一年だった 英語オリジナル

2016年3月3日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de 筆頭執筆者

 太陽光は年間最低導入目標に到達しなかった。バイオエネルギーもこれまでほど開発されなかった。これが昨年ドイツで起きたことだ。しかし、風力発電は、陸上風力、洋上風力、総発電量の三つで大きく伸びた。風が吹いた年だったのだ。

 2015年、電力供給に占める自然エネルギーの割合は6%増加し、電力需要の33%、総発電量の30%に達した。この2つの数値の差が電力輸出分で、これも最高記録を更新した。今やドイツの発電量の10分の1は輸出向けなのだ。

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考察「エネルギ-革新戦略案」
-VPPとは分散型エネルギ-システムである-

2016年2月26日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

【省エネ、再エネ、システム構築が革新戦略の主役】
 COP21にてパリ協定が成立したが、事前の予想を超える成果と評価されている。特に「今世紀後半に人為的な排出量を人為的な吸収量の範囲に抑える」という合意は、実質的に排出ゼロを目指すものと解されている。排出量第5位の日本の責任は重く、国際公約を確実に実現しなければならない。2030年までに2013年比26%削減するとの公約だが、エネルギ-の前提は昨年策定された長期需給見通しに基づく。具体的に実施するための骨子が「エネルギ-革新戦略」であり、早ければこの3月末までに取り纏められる。

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日本の太陽光発電はなぜ高いのか

2016年2月4日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

 世界的に太陽光発電の価格は劇的に低下しているが、海外と比べると日本の太陽光発電の価格は高い。国際エネルギー機関の資料によれば、2014年の日本における地上設置型の太陽光発電システムの価格は、2.5ドル/ワットであり、他の先進諸国におけるコストに比べて4割から9割高い(図1)。特にドイツやイタリアなどの太陽光発電が普及している国々に比べると、2倍近い価格差がある。

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電力自由化と原子力発電

2016年1月28日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

 年が明けてから、電力自由化についてマスメディアの取材を受けることが多くなった。いうまでもなく、4月の小売り全面自由化を控えて一般消費者の関心が高まりつつあるからであろう。その際によく聞かれるのが、自由化すると原発はどうなるのか?ということである。

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2015年、自然エネルギー変革の幕開け 英語オリジナル

2016年1月21日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

 中国は現在、太陽光でも風力でも世界一の導入量を誇り、人口は世界の5分の1に満たないが、太陽光・風力の導入量は世界の約3分の1を占めている。設備容量においても、風力発電では数年前から世界一を誇ってきたが、2015年以降は太陽光発電でもドイツを抜いてトップに立つと見込まれている。

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自然エネルギー100%への道を進もう
-気候変動の危機を回避する最も確実な選択-
英語版

2016年1月5日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

 昨年末のCOP21で採択された気候変動対策の新たな国際的な枠組み、「パリ協定」は、今世紀の後半には、世界が「脱化石燃料」の時代に入るべきことを国際的な合意として定めた。気候変動の危機回避のためには、二酸化炭素を排出する化石燃料を燃やし続けるわけにはいかない。

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ドイツにおける入札制度の現状 英語オリジナル

2015年12月25日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de 筆頭執筆者

 自然エネルギーによる電力のコストを削減する手段として、オークション制度(入札制度)が世界中でもてはやされ始めている。本記事では、その理由と、入札制度によってなにを失うのかを概説する。

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検証再エネFIT見直し案-進展はあるも価格設定は議論不足-

2015年12月21日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

 今回は、前回に続いて日本の再エネ制度を取り上げる。

【ゼロエミ義務、インフラコスト負担は進展】
 システム改革に向けた具体策が漸く進んできた。3次に及ぶ法改正も実現し、政府も落ち着いてきたようだ。ゼロエミ電源44%を供給高度化法に明記する。小さすぎるとの批判はあるが、再エネ電力比率22~24%達成を確実に実現していこうとの意気込みは感じる。原子力が未達の場合は再エネが増えるし、その逆も然りである。これは、CO2削減目標実現の担保にもなっており、実効性が期待できる。

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世界の針路を決めるCOP21

2015年12月2日 山岸 尚之 WWFジャパン気候変動担当オフィサー

 近年の国際的な気候変動(温暖化)に関する国際会議では最も重要な機会となるであろう、COP21(国連気候変動枠組条約第21回締約国会議)が、11月30日〜12月11日の日程で開催されている。開催地は、痛ましいテロ事件があったばかりのフランス・パリだ。

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始まった世界エネルギー革命は成長志向

2015年12月1日 西村六善 元外務省地球環境担当大使

脱炭素化に向けて世界は走り出した
 今回のパリCOPは従来の全てのCOP交渉と大きな違いがある。一言で云えば基本原理が「負担と犠牲」から「機会の先取り」へと変わったのだ。今までは化石燃料が主役で自国経済への制約や負担回避のゲームだった。今後は再生可能エネルギー(以下「再エネ」)の大量導入でエネルギー革命を進めるゲームになった。脱炭素新文明への展望を開く動きだ。仮に今回のパリCOPが失敗しても、温暖化を回避しようとする限り、脱炭素新文明へのエネルギー革命は不可避だ。

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化石燃料投資からの撤退 - 世界に広がる"ダイベストメント" -

2015年11月26日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

 "ダイベストメント(divestment)"という言葉をご存知だろうか。それ自体は、保有している金融資産などを売却し、撤退することを意味する用語だ。インベストメントの反意語であるが、実際の意味合いとしては、何らかの社会的な目的をもって、特定の投資からの撤退を進める取組みを表している。これまでの最も代表的な事例は、南アフリカ共和国の人種差別政策に反対して、同国への投資を行わない取組みだった。

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チリにおける自然エネルギーの可能性

2015年11月19日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

銅、水力、バイオエネルギー、太陽光
 筆者は、11月初めにチリのサンチアゴを訪れ、エネルギー大臣などと自然エネルギー政策について意見交換する機会を得た。自然エネルギーに関連してチリという国名はこれまで余り耳にしなかったが、現地では近年高い注目が集まっているという。日本から馴染のないチリの自然エネルギー事情について、紹介したい。

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COP21 means Business

2015年11月12日 末吉竹二郎 自然エネルギー財団 副理事長

 COP21が間もなく開かれる。あの忌まわしいCOP15(2009、コペンハーゲン)の失敗から早や6年。世界は漸くにしてCO2排出削減の国際枠組みを手にすることになる。

 では、ポストCOP21の世界はどうなるのか。様々な変化が見込まれる中、最も重要と思うのが社会の価値観の転換であろう。短縮して言えば、CO2を出し続けることは「悪いこと」になったのである。悪いこととなれば、社会から嫌われる。規制の対象となり、間違いなくCO2排出に金銭を含む様々な負担がかかることになる。

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日本の投資家への警鐘 英語オリジナル

2015年11月5日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

 20世紀において最も低コストな発電方法は、ウランと化石燃料によるものだった。発電所の規模が大きいほど、キロワット時あたりの発電コストが低かったのだ。
 使用燃料ごとに役割も異なっていた。石炭やウラン等の燃料は、天然ガスや石油より安価だが、石炭火力発電所や原子力発電所の建設費用は、石油火力発電所や天然ガス発電所より高い。その結果、石炭火力や原発のような建設費のかさむ発電所は、いったん建設されると技術的に可能な限り常時稼働され、建設費が比較的小さい石油・天然ガスの発電所は、割高な燃料を燃やすことが妥当なときに限り稼働した。
 そのため、石炭火力発電所や原子力発電所の閉鎖が、常時稼働する同様の発電所の追加建設に結びつくこともあった。

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フォルクスワーゲン社の不祥事から学ぶべきこと 英語オリジナル

2015年10月29日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de 筆頭執筆者

フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題に関して、ドイツ国内では経済全体への影響を中心に議論が続いている。政治家は、当然ながら、ドイツ車販売台数の急落だけでなく、世界的な「ドイツブランド」イメージの失墜を危惧している。しかし実際のところ、今回の不正問題は、ビジネス上「してはならないこと」を示すだけでなく、「本当にすべきことは何か」を示唆するものでもある。

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SAIREC2015:『南アフリカ自然エネルギー国際会議2015』

2015年10月29日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

2015年10月4日から7日にかけて、南アフリカのケープタウンで「南アフリカ自然エネルギー国際会議2015 - South Africa International Renewable Energy Conference 2015 (SAIREC2015)」が開催され、各国政府、ビジネス、NGOなど、85ヶ国から3,600人以上が参加した。主催は南アフリカ共和国のエネルギー省と国立エネルギー開発研究所で、開催にあたってはREN21やドイツ連邦経済協力開発省(BMZ)が協力している。

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「原発停止による国富流出」政府試算の検証2015年版
政府試算に反映されない省エネルギーや自然エネルギーによる燃料費抑制効果
英語版

2015年10月16日 分山達也 自然エネルギー財団 上級研究員

経済産業省の各委員会で用いられてきた「原子力発電の停止に伴う燃料費の増加」の推計について、結果と現実との乖離がさらに拡大している。

今年4月、経産省の電力需給検証小委員会は、2014年度の原発停止に伴う燃料費の増加分を「3.4兆円」と推計した ⅰ 。この数字は、原子力発電再稼働の必要性・緊迫性を示す数字として、経産省の総合資源エネルギー調査会の各委員会や、『エネルギー白書2015』に引用されていて、メディアでもよく引用される数字である。政府は、2012年以降、半期ごとに最新の数字を試算し、公表している。

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「小売FIT」から「送電FIT」への移行問題を考える
-本筋諒なるも例外措置が必要-

2015年10月8日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長、京都大学特任教授

固定価格買取制度の認定を受けた電力(FIT電力)の買取り義務が、小売り会社から送配電会社に移すことが検討課題となっている。発送電分離を決めた法案の成立を契機としている。完全中立となる送配電会社がFIT電力を買い取る義務は、特に再生可能エネルギーの普及期間においては合理的である。

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太陽光発電は電力部門の転換を牽引する 英語オリジナル

2015年10月2日 アレクサンドル・ロシュ ソーラーパワー・ヨーロッパ* 規制部長

太陽光発電を語るとき、過去数年で技術コストが大幅に削減されたことに関心が集中することが多い。1990年代末に欧州で積極的な需要引き上げ政策がとられたのを基盤に、市場が目覚ましく発展したおかげで起こった変革である。 2000年には129MW(12.9万kW)だった接続容量が 、15年間で9万MW(9千万kW) まで急増している。

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独立規制機関の必要性:電力取引監視等委員会に期待する

2015年9月11日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

2015年9月1日に電力取引監視等委員会が発足した。これは、電力分野(来年以降はガス分野も)を対象とした高い独立性を有する規制機関であるが、そもそもどうして今独立規制機関が必要なのか?

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自然エネルギー建設には多くの土地が必要?―どれだけ賢いかにかかっている! 英語オリジナル

2015年9月3日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

太陽光発電は地面に太陽電池パネルを設置して発電される。日本やドイツの平均発電量は、1平方メートルあたりで年間0.1MWh(100kWh)程度だ。この計算によれば、日本の年間電力消費量約1,000TWh(1兆kWh)を賄うために必要な面積は、日本全土の2〜3%程度ということになる。

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「自然エネルギー大国」をめざす中国とインド、そして南米の国々
-日本だけが取り残される-

初出:『環境ビジネスオンライン』 2015年5月25日掲載

2015年8月27日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

「いまから15年後の2030年になっても、日本では自然エネルギーで電力の2割余りしか供給できない」、というのが経産省の考えだ。この「目標」が欧米に比べ、あまりに低いことは再三、指摘してきた。しかし実は、経産省案は欧米だけでなく、中国やインドなどと比べても全く消極的な目標なのだ。

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ドイツ・自然エネルギー電力比率、あらたな記録更新! 英語オリジナル

2015年8月20日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de 筆頭執筆者

この7月、ドイツの電力需要に占める自然エネルギーの比率が、数時間の間78%となり、史上最高を記録した。7月は、太陽光の発電量が原子力を上回ったともみられている。つい最近まで流布されていた自然エネルギー懐疑論と対峙する意味で、この2つの新記録は大きな快挙である。しかし、まだ象徴的な記録にすぎず、ドイツにも長い道のりがあることは確かでもある。

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自然エネルギーが未来を拓く
―自然エネルギー電力・熱で世界をリードするアジア
英語オリジナル

2015年8月6日 REN21事務局

「REN21—21世紀のための自然エネルギー政策ネットワーク)は、6月に『自然エネルギー世界白書2015年版』を発表した。白書は、2014年が自然エネルギーにとって記念すべき年であったことを改めて示すものとなった。

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グリッドパリティ−日本でも電気料金レベルに達した太陽光発電の経済性 英語版

2015年7月30日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

「太陽光発電はコスト高」と言われる。例えば、2015年5月に政府の委員会(総合資源エネルギー調査会発電コスト検証ワーキンググループ)で試算された住宅用太陽光発電の発電単価は、29.4円/kWhだった。そして、日本の主力電源であるLNG火力の13.7円/kWhに比べて、太陽光発電は2倍以上の発電単価であると評価されている。

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再エネ発電は高いのか:サプライチェーンの視点

2015年7月30日 山家公雄 エネルギ-戦略研究所長

再エネは国産、環境、産業創造等多くの価値がある。一方で、コストが高いと言われ、主力の風力・太陽光は出力が変動するという課題がある。コストについては、海外では急激な普及を背景に顕著に低下している。風力は火力並かそれ以下、太陽光も家庭用電気料金に伍する程度に下がった国は多い。

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ライフスタイルをラジカルに変えよう

2015年7月23日 末吉竹二郎 自然エネルギー財団 副理事長

地球温暖化を巡るフランシスコ法王の回勅(かいちょく)がいま世界で話題をさらっている。気さくで社会の弱者に寄り添う人気の高いローマ法王だが、回勅の中身は思いもよらぬ厳しさとなり、その衝撃は瞬く間に世界に広がった。

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究極の分散型電力システム:WASSHAの取り組み

2015年7月16日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

分散型電力システム

福島原発事故以降、日本でもエネルギー転換の必要性が叫ばれ、「分散型電力システム」といった言葉が聞かれるようになった。筆者も、3.11以前から「集中管理型」から「自律分散型」への移行を主張してきたが、確立された定義は存在しない。多くの論者が一致する基本的な理解は、再生可能エネルギー(再エネ)などの分散型電源を基幹にすることだろう。さらに、マイクログリッドやスマートコミュニティといった地域単位の需給システムを指す場合もある。あるいは、(筆者のように)分散的な主体である消費者によるデマンドレスポンスを含める場合もある。

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日本の将来世代のために 英語オリジナル

2015年7月9日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

この時代に日本で生まれた子どもたちは、将来、今の政府を恨むかもしれない。理由は2つある。

一つは、政府が現在の納税者に国の支出を負担させるのではなく、約半分を借金して後の世代に付けを回していることだ。

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日本の省エネは「乾いた雑巾」ではない
-「省エネの失われた20年」を終わりにしよう-

初出:『環境ビジネスオンライン』 2015年5月11日掲載 英語版

2015年7月2日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

前回のコラムで、経済産業省のエネルギーミックス(電源構成)案が、自然エネルギーの導入に著しく消極的であること、国際的にも異例な石炭火力発電重視を内容とするものであることを見てきた。これらと並んで、もうひとつの大きな問題は、「省エネにも消極的」という点である。

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なぜドイツでトップレベルの高効率ガスタービンが閉鎖されるのか 英語オリジナル

2015年6月25日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de 筆頭執筆者

ドイツ電力会社最大手のエーオンが、シーメンス製コンバインドサイクル・ガスタービンの閉鎖を計画していることが、ここ最近メディアで取り沙汰されている。ドイツのエネルギー大転換(エナギーヴェンデ)の失敗例の一つとして吹聴されているようだ。しかし、そもそもシーメンスの選択が、エナギーヴェンデや地球のためになる選択だったとは限らない。

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政策決定者にもっと正しい情報を 英語オリジナル

2015年6月18日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

日本では、電力会社が送電網を管理し、電力システムの状況も管理している。そのため、情報管理を通じて、国や消費者の利益に反し電力会社の利益になる方向へ、政策決定者を導くことができてしまう。

発電所の所有者と、送電網の所有・管理者とを独立分離させれば、発電事業者間の競争が促され、近代的で低価格な国内産の自然エネルギー電源に市場を開くことができる。

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国際公約に反する「石炭火力発電新設」はリスキーなビジネス
初出:『環境ビジネスオンライン』 2015年4月27日掲載

2015年6月11日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

東日本大震災以降、日本では石炭火力発電所の新設計画が目白押しである。昨年、政府が策定した「エネルギー基本計画」が「重要なベースロード電源」というお墨付きを与え、停止している原発に替わる電源を確保しようとする既存電力会社、電力市場への進出のために独自電源が必要な新規参入企業が、コストの安さを理由に設置しようとしているためだ。

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日本の太陽光発電固定買取制度(FIT):生と死、日没と夜明け 英語オリジナル

2015年6月4日 マイケル・ロゴル PHOTONコンサルティング代表
文責:堀 菜々

日本において、FIT は太陽光発電の導入を促進するのに非常に大きな成功を収めた。FIT の採用により、2011 年には年間 1 ギガワットの太陽光発電の導入に 600 億円を費やしていたが、2014 年には 8 ギガワット、2.6 兆円にまで広がった。

FIT 導入によって起きた、この太陽光発電導入の波以上に、大量の太陽光発電システムが設備認定を受けながら、導入に至っていない。2014 年末までに FIT の設備認定を受けた76 ギガワットの太陽光発電システムの内、設置されたのは 21 ギガワットに止まる。

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日本の産業界が 将来の力と電力をもたらす 英語オリジナル

2015年6月1日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長 (5月28日掲載)

日本の経済産業省よりも、わたしの方が、もっと日本の産業界を信頼している。

経済産業省が提示した「長期需給見通し」策定のための案は、矛盾や、にわかには信じがたい内容や、日本の産業界の能力を非常に悲観した内容が多く含まれている。

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原子力20-22%は実現可能なのか? 英語版

2015年5月21日 高橋洋 都留文科大学教授・自然エネルギー財団 特任研究員

政府のエネルギーミックスを巡る議論が大詰めを迎えている。既に経済産業省の原案は提示されており、2030年時点の原発依存度、即ち、発電電力量に占める原子力の電源構成は、20-22%を目標とするという。本稿では、原子力20-22%は、実体としてどういう状況を指すのか、この数値目標は実現可能なのか、考えてみたい。

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日本のエネルギー対策が試される2020年東京オリンピック・パラリンピック 英語オリジナル

2015年5月15日 ショーン・マッカーシー OBE アクション・サステイナビリティ ディレクター
持続可能なロンドン2012委員会 元議長

*ショーン・マッカーシー氏には、2015年4月7日に東京で開催されたシンポジウム「東京はロンドンを超えられるか―より持続可能なオリンピックをめざして―」にメインゲストとしてご登壇いただきました。

先日の私の訪日にあたり、自然エネルギー財団の皆様には、周到な準備と滞在中のおもてなしに大変感謝している。日本では、政府の大臣や高官、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の幹部など、2020年東京大会の主要関係者と、いくつかの会合を行った。また、自然エネルギー財団とWWFが共催したシンポジウムには、ゲストスピーカーおよびパネリストとして出席した。

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日本を置き去りにして加速する自然エネルギーの導入とコスト低下 英語版

2015年5月8日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

4月28日、経産省は、日本の2030年の電源構成の素案を提示した。天然ガス27%、石炭26%、石油3%、自然エネルギー22−24%、原子力20−22%、というものである。自然エネルギーの内訳は、水力が8.8〜9.1%、太陽光7%、バイオエネルギー3.7〜4.6%、風力1.7%、地熱1〜1.1%という。

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ドイツの日食で分かったこと 英語オリジナル

2015年4月10日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de筆頭執筆者(@PPchef)

ほとんど雲のない好天だった3月20日金曜日、ドイツ一帯で部分日食が起こった。国内のほぼ全域で太陽の70%以上が月に隠れたため、ドイツの太陽光による電力はかつてない規模で急激に減少し、再び増加した。これで、ドイツが太陽光発電の大幅な変動にも耐えられることが証明できたとして、人々は歓喜に沸いている。しかし、手放しで喜んではいられない理由もある。

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自然エネルギー競争で日本はなぜ中国に勝とうとしないのか? 英語オリジナル

2015年3月20日 ジョン・A・マシューズ
オーストラリア・マッコーリー大学経営大学院教授

日本のエネルギー改革をめぐる議論はこれまで、核燃料および化石燃料の将来性や、発電市場の構造改革に関する問題を中心としてきた。天然ガス(LNG)調達を目的とした、東京電力(TEPCO)と中部電力による最近の合併事業はその典型的な例である。これはつまり、エネルギー安全保障とは、燃料の供給元を多様化し、日本の燃料調達力を強化することだと考えられていることを意味している。ちなみに、ここで言う燃料とは核燃料および化石燃料を指している。自然エネルギーは、補助的かつ取るに足らないエネルギー源であり、気候変動を緩和する上でのメリットはあるものの、エネルギー安全保障全体に大きな影響を与えるようなものではないと考えられてきた。

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ヴァッテンフォールの思いがけない明確な声明 英語オリジナル

2015年3月10日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

20年にわたる抵抗に区切りをつけた欧州の電力会社が、今、急速な進歩を遂げつつある。1990年代初頭、ドイツの電力会社は、系統の安定性への障害を懸念して、4%を超える自然エネルギー電力の導入はうまくいかないと主張していた。しかし、系統と発電所の所有権が分離されてから、このような主張はすっかり聞かれなくなった。デンマークのエネルギーネットやドイツの50ヘルツといった送電会社によって、風力・太陽光発電の割合が40%になっても対応可能であることを証明したのだ。

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エネルギー対策が実証された2014年 英語オリジナル

2015年3月6日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

2014年、日本は50年ぶりに原発稼働ゼロで丸一年を過ごした。一方、太陽光エネルギーからの発電は大幅に増加した。その結果2014年は、日本でも化石燃料の消費を削減できることを証明する年となった。発電用の石油消費減少量が、その補てんに充てられた天然ガス消費増加量を上回ったのである。

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概要:2014年ドイツの自然エネルギー 英語オリジナル

2015年2月24日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者 および
EnergyTransition.de筆頭執筆者(@PPchef)

昨年は、ドイツの風力発電とバイオガス発電にとって記録的な年となった。前者はよい記録、後者はその逆だ。太陽光発電市場は大幅に縮小したが、それでも世界的に見れば、送電網のサイズの割にかなり大きな規模を保っている。

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Carbon Pricingの時代に備えよ

2015年1月22日 末吉竹二郎 自然エネルギー財団 副理事長

アジアで相次いで排出権取引市場が生まれつつある。

韓国環境部は予てより準備してきた温室効果ガス(GHG)の排出権取引制度(ETS)を今年1月12日に正式に発足させると発表した。国家レベルではアジア初となる韓国のETS導入の背景には同国の綿密な制度設計の歴史がある。

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自然エネルギーの「日本コスト」を解消して、経済活性化を実現しよう 英語オリジナル

2015年1月16日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

日本政府は電源別のコスト算定をやりなおそうとしている。しかし、政府には、もっと重要なやるべきことがあるのではないか。それは、日本の自然エネルギーを割高にしている「ホームメイドコスト」を取り除くことだ。コストが高くなるのは、だいたいいつも、不適切な規制のせいだ。政府や議会で決まった不適切な規制がコスト高をもたらしている。

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世論に後押しされたドイツのエネルギー大転換 英語オリジナル

2015年1月9日 ヤン・ブルク ジャーマンウォッチ

1993年、ドイツの電力会社は依然として「自然エネルギーは電力需要のせいぜい4%しかカバーできないだろう(水力含む)。したがって、低排出による電力供給を確保するうえで原子力エネルギーに代わる選択肢はない」と、国民を説得しようとしていた。(1993年6月、ドイツの電力供給事業者の広告より)。現在の視点から見れば、このメッセージは完全に間違っていたことになる。ドイツの電力消費量における自然エネルギーの割合は1991年時点で3.4%だったが、2013年には24%に達したからである。(2014年、AGEB調べ

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2015年、自然エネルギーから始めよう

2015年1月5日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

2015年は、いわゆる「エネルギーミックス」、電源構成を決める年になる。自然エネルギー財団でも、できるだけ早く提案を発表するつもりだが、ここで一つ考えたいのは議論の順番についてだ。原子力発電の位置づけ、石炭火力増強の是非など、多くの重要な論点があるが、自然エネルギーをいかに早く日本の基幹電源にするのか、という点から議論を始めたらどうだろうか。

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ハンブルグ電力網公社の誕生

2014年12月25日 高橋洋 富士通総研主任研究員

1998年の電力自由化以前のドイツでは、自治体や地域の会社が配電事業などを担う例が多かった。しかし自由化を受けて売却が相次ぎ、大手への集約が進んだ。ヴァッテンファルは4大電力会社の1つであり、ハンブルグ市から当時の電力公社(HEW)を買収した。その後ヴァッテンファルは、市内で石炭火力発電所の建設計画を進めたが、地球温暖化の観点から市民の反対運動にあった。訴訟なども経て、2008年にハンブルグ市は建設を認めたが、市民はこれに納得せず、ヴァッテンファルへの不買運動を展開した。

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ドイツの一般家庭のおかげで日本がエネルギー資源大国に! 英語オリジナル

2014年12月18日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

日本は資源の乏しい国だとよく言われ、またそれは真実だと思われている。過去100年にわたり、世界中で石炭や石油、ウラン、ガスがエネルギーとして利用されてきた。資源の中でこれらがもっとも低コストだったためである。日本には、こうした枯渇性エネルギー源となる資源がほとんど存在せず、発電や自動車、家庭の暖房は、すべて輸入燃料に依存してきた。

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独エネルギー政策をめぐる報道の矛盾 英語オリジナル

2014年12月11日 クレイグ・モリス Renewables International 編集者
EnergyTransition.de筆頭執筆者

先月、フィナンシャル•タイムズ(FT)紙は、ドイツのエネルギー転換を厳しく論評する記事を掲載した(注)。しかしその記述は、大いに誤解を招くものだ。

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EUの自然エネルギー目標は、電力も熱も交通も含めて2030年に最低27%
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年11月10日掲載

2014年12月11日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

欧州連合(EU)は10月24日に首脳会議を開催し、2030年の温室効果ガス排出量を1990年比で40%削減することを決定するとともに、同年までの自然エネルギー導入目標を最低27%と定めた。

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エネルギー政策の選択:「ポスト原子力」の電力をいかに担うか

2014年12月4日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

選挙戦で最も争点になりそうなエネルギー政策は、原発再稼働の是非だ。原子力規制委員会もリスクが残ることを認めているのに、避難計画の実効性が疑われている状態では、再稼働に懸念を持つ人が多いのは当然だ。その是非は真剣に議論される必要がある。

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2015年、家庭用太陽光の発電コストが電気料金より安くなる可能性あり 英語オリジナル

2014年12月4日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

日本における自然エネルギー電力は、寛大な固定価格買取制度にもかかわらず、ゆっくりと進化してきた。電力市場の独占と計画プロセスの煩雑さが、ここ数年にわたり、風力・地熱・バイオマスプロジェクトを妨げてきたのだ。

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日本も「静かなる風力発電革命」の恩恵を受けるべき

2014年11月27日 ベルナール・シャボ BCCONSULT(フランス)
再生可能エネルギーと持続可能なエネルギーの国際的コンサルタント、トレーナー

今、世界では「静かなる風力発電革命」[1]が起こりつつある。非常に高い設備利用率を実現できる新型風力発電機が商用化され、低風速地域でも洋上風力発電にひけをとらない利用率が得られるようになってきたのだ。

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原発を停止してもドイツはフランスへの電力純輸出国
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年10月27日掲載

2014年11月20日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

世の中には脱原発を決めて自然エネルギーを推進するドイツのエネルギー政策を、何としても「失敗」と描きだしたい勢力があるらしい。10月6日にファイナンシャルタイムズが掲載した社説「The costly muddle of German energy policy」もそのあらわれなのだろう。「メルケルが脱原発を決めたのは大きな誤り」と書いて、「失敗」の根拠をあれこれあげつらっている。どれも言い古されたネタばかりだが、「ファイナンシャルタイムズが言うのなら本当かも」、と思う人もいるかもしれない。

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原発維持の英国も2020年までに30%の自然エネルギーをめざす
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年10月13日掲載

2014年11月13日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

日本の中で、最近、話題にあがる英国のエネルギー政策といえば、原子力発電に固定価格買取制度のような価格保証をしようとするCfD制度(CfD: Contract for Difference)だ。何しろ、35年間も15.7円/kWhという高値の価格を保証するというのだから、「原発は安い」という神話を最終的に崩すことに貢献した政策だといえる。反面教師的に評価されているわけだが、その一方で自然エネルギー政策については、ドイツやデンマークなどの先進的な国々より立ち遅れているという見方が一般的だ。しかし、4年間で2.4倍になった風力発電の急成長や、石炭火力からバイオマス発電への転換など、英国にも注目に値する自然エネルギープロジェクトがある。

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2014年最新データで見る欧州自然エネルギー事情
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年9月29日掲載

2014年11月6日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

前回は、2014年前半の最新データで米国の自然エネルギー事情を見た。今回は同様に、ドイツやデンマークなど、欧州の自然エネルギー先進国の直近の状況を紹介しよう。

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2014年最新データで見る米国自然エネルギー事情
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年9月15日掲載

2014年10月30日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事
ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 研究員

アメリカでの自然エネルギーの導入は、これまでドイツやデンマークなど欧州の先進国と比べると遅れをとっていた。しかし、このほどまとまった2014年前半のデータを見ると、風力発電を一番手、太陽光発電を二番手として、急速に拡大が始まっている状況が見て取れる。

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風力発電は実は最も安定した電源である

2014年10月23日 安田陽 関西大学システム理工学部准教授

「風力発電は最も安定した信頼できる電源である」と言うと、おそらくほとんどの方が驚き、「それはウソだ!」「デタラメだ!」という人も出てくるかも知れない。このような言説は今まで日本語ではほとんど語られていなかったため、感覚的に理解できない方も多いことは容易に想像できる。しかし世界では、風力発電は安定した信頼できる電源であるという認識は常識になりつつある。少なくとも世界の投資家や政策決定者はそのように見ている。

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より豊かな経済強国になりうる日本 英語オリジナル

2014年10月16日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

2014年9月で日本が原発全基の稼働を停止して1年になる。1966年以来、初めてのことだ。日本では原子力の発電量がピークを迎えた1998年以降、原子力は期待通りの成長を遂げられず、技術・経済的な問題への対応に苦戦してきた。そして、工学的・管理的側面からのほころびが2011年3月の地震による福島の大事故につながり、日本の原子力発電が停止する事態を招いた。

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電力システム改革とデマンドレスポンス(DR)

2014年10月14日 高橋洋 富士通総研主任研究員

「現状では、デマンドレスポンスに市場はありません。ネガワットをポジワットと等価に見てくれる仕組みがないからです」。これは、「原子力発電なしの夏」が始まる前に聞いた、とあるDRビジネス関係者の本音である。「少なくともリアルタイム市場が創設されるまで、DRビジネスで食いつなげるかが鍵です。そのためには、政府の補助金に頼るしかありません。」これも、とあるDRビジネス関係者の声である。

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原子力発電なしの夏

2014年10月2日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

東日本大震災から4回目の夏が過ぎた。2011年は11基、2012年はいったん5月に「原発ゼロ」となってから、7月に大飯原発2基が動き出した。2013年夏もそのまま動いていたので、原子力発電なしで夏を乗り切ったのは、1966年に日本初の原子力発電、東海発電所が動き出してから初めての事だ。

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九州電力問題:透明で中立的な送電網運営が不可欠だ 英語版

2014年9月25日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

9月24日、九州電力は、全管内の住宅用太陽光発電以外のすべての自然エネルギーの買取交渉の延期と回答留保を発表した。固定価格買取制度による変動電源(自然エネルギー)の拡大が急速で、このまま全部の系統連系を受け入れれば、九州電力管内の需給調整に支障をきたし、電力の安定供給が困難になる恐れがあるため、数ヶ月、交渉を保留し、検討期間に充てるためだという。

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日本の経済発展に貢献するエネルギー政策が必要だ 英語オリジナル

2014年9月11日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

世界の太陽光発電・風力発電技術市場は、いずれも今年30%以上の成長が予想されている ⅰ 。これほどの成長を実現できる産業はほとんどない。

今や、欧州や米国で、新規発電として最も安いのは風力である。ポルトガルでは風力が1 kWhあたり9.5円以下のコストで発電できるといわれるのに対し、原子力、石炭火力、ガス火力は、12~13.5円/kWhかかるという ⅱ 。この夏、デンマークのエネルギー庁は、風力にかかるコストは石炭火力やガス火力の約半分であるとのデータを発表した。 ⅲ 

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日本とドイツのエネルギー政策:福島原発事故後の明暗を分けた正反対の対応
この記事は、ロッキーマウンテン研究所のウェブサイトに2014年7月8日に掲載されたエイモリー・ロビンス博士による“How Opposite Energy Policies Turned The Fukushima Disaster Into A Loss For Japan And A Win For Germany”の日本語訳である。
英語オリジナル


2014年9月4日 エイモリー・B・ロビンス ロッキー・マウンテン研究所 共同創設者、主任研究員
自然エネルギー財団 理事

日本は自らを小エネルギー国だと思い込んでいるが、この国民的な考えは、言葉の意味の混濁によって生まれたものである。日本は、化石「燃料」には乏しいが、太陽、風力、地熱といった自然「エネルギー」については、主要工業国のなかでも最も豊富な国である。たとえば、日本は、ドイツの9倍もの自然エネルギー資源を有している。しかし、自然エネルギー電力の導入量はドイツの9分の1(大型水力発電を除く)に過ぎない。

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再生可能エネルギーのドライバーとしての優先給電

2014年8月28日 安田陽 関西大学システム理工学部准教授

4月4日付コラムでベースロード電源というものが世界では消滅ないし減少しつつあることを指摘したが、今回はその原因を考察してみたい。結論から先に言うと、その理由は「再生可能エネルギーの大量導入」であり、そのドライバー(推進させるもの)として「優先給電」が挙げられる。

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固定価格買取制度のめざましい成果と日本の自然エネルギー政策の課題 英語版

2014年8月21日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

固定価格買取制度導入から2年がたった。政府は、7月に立ち上げた「新エネルギー小委員会」で、固定価格買取制度の今後についての議論を開始している。しかし、自然エネルギー政策に詳しい専門家が含まれていないなどの委員構成の問題だけでなく、小委員会では一言も触れられていない内容のわからない「総量規制」について、何度も報道されたり、委員長自らが言及したり、あたかも固定価格買取制度を根本的に見直すことが決まっているかのような雰囲気が醸成されているのは、大きな問題である。今、必要なのは、ようやく始まった自然エネルギーの更なる導入拡大を速やかに進めるために、ここ2年の成果をさらに発展させる立場から、「日本版固定価格買取制度」の改善を行うことである。

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米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア⑤:
自然エネルギーの大量導入を可能にするカリフォルニアの独立系統運用機関

初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年6月16日掲載記事に一部加筆訂正

2014年8月14日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

日本で自然エネルギー拡大の大きな障害になっているのは電力系統への接続だ。固定価格買取制度ができて、電力会社には買取の義務があるはずなのに、いろいろな「技術的」理由をつけて接続が簡単に進まないのが実態だ。これに対し、カリフォルニア州では、系統運用機関自身が、積極的に自然エネルギーの導入を進めている。

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米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア④:
自然エネルギー50%をめざすカリフォルニア

初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年6月9日掲載記事に一部加筆訂正

2014年8月7日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

州政府の中でカリフォルニアの自然エネルギー施策を牽引しているのは、エネルギー委員会(CEC, California Energy Commission)と公益事業委員会(CPUC, California Public Utilities Commission)という二つの機関だ。前者はサクラメント、後者はサンフランシスコに立地している。著者は4月下旬にこの二つの機関をたずね、意欲的な自然エネルギー拡大策についてお話をうかがってきた。その概要をご紹介しよう。

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米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア③
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年6月2日掲載記事に一部加筆訂正

2014年7月31日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

2020年までに大規模水力発電を含めれば、全電力の45%程度を温室効果ガスを排出しない自然エネルギーで供給するカリフォルニア。日本の現状からみれば、この2020年目標は遥かに先を行っているが、すでに2020年目標の達成のめどはついていると言われ、カリフォルニアでの議論の焦点は、2030年に大規模水力以外の、太陽光や風力などで50%以上を供給するには何が必要かに移っている。見逃してならないのは、こうした自然エネルギー拡大の最大の推進力が、気候変動対策だということだ。

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嘆くのではなく、祝福しよう:電力会社を崩壊させる自然エネルギー
この記事は、ロッキーマウンテン研究所のサイトに2014年2月6日に掲載されたエイモリー・ロビンス博士による”Let’s Celebrate, Not Lament, Renewables’ Disruption of Electric Utilities”の日本語訳である。 英語オリジナル


2014年7月25日 エイモリー・B・ロビンス ロッキー・マウンテン研究所 共同創設者、主任研究員
自然エネルギー財団 理事

欧州では自然エネルギーの躍進が続き、低炭素の電力システムを基幹電源にしつつある。2012年の欧州の新規発電導入容量の69%、米国の新規発電導入容量の49%を自然エネルギーが占めた。当然のことながら、これは、時代遅れのビジネスモデルと化石燃料の発電を手放そうとしない電力会社にとって、脅威である。

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米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア②:全米の先頭を走るサクラメント電力公社の挑戦
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年5月26日掲載記事に一部加筆訂正

2014年7月17日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

本連載コラムの6月26日掲載の記事で紹介したように、カリフォルニアの州都サクラメントを中心とする地域に電力を供給するサクラメント電力公社(以下、現地の呼称のSMUDと書く)は、全米の自然エネルギー導入を先導するカリフォルニア州の中でも、更に一歩進んだ取組みを進めている。2013年の時点で年間電気供給量の29%を自然エネルギーでまかなっているし、これに大規模水力発電の発電量を加えれば、全体の半分程度に達する。導入率だけでなく、自然エネルギー施策自体も、州政府より一歩先に取組を進めてきている。

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期待以上の成功で改革が必要になったドイツのエネルギー大転換 英語オリジナル


2014年7月11日 ステファン・シュリグ 世界未来協議会 気候エネルギー部門 ディレクター

ドイツの「エネルギーヴェンデ」(Energiewende、エネルギー転換政策)にとって、ここ一ヶ月は大きな節目だ。6月27日(金)、ドイツの下院に当たる連邦議会は、ジグマー・ガブリエル経済エネルギー大臣が提出したドイツ「自然エネルギー法(EEG)」の改定案を受け入れた。7月11日(金)には連邦参議院で採決が行われる。いわゆる「新生EEG」法案には、長い議論の過程でさまざまな改定条項が加えられたが、すべてが1つの方向性を目指している。すなわち、自然エネルギーを通じたエネルギー市場の転換スピードを遅くすること、である。送電系統の技術的な問題や、克服しがたい難問があるからではない。ガブリエル大臣が、国民の利益よりも、石炭や原子力エネルギー企業の利益を重視したためである。

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固定価格買取制度:市場の力と制度の適切な運用

2014年7月3日 木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

日本で固定価格買取制度がはじまって2014年6月末で2年になる。わずか2年間であるが、そのすさまじい勢いが実感される。制度が2012年7月から運用開始されて、わずか21か月時点(2014年3月末まで)で6869万kWが設備認定され、895万kWの自然エネルギー電源が稼働を始めたのである。2011年度までに建設されてきた水力発電を除く自然エネルギーの総設備容量が約1070万kWであったのだから、そのスピードの速さと規模の大きさがわかる。

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米国の自然エネルギー拡大を先導するカリフォルニア①
初出:『環境ビジネスオンライン』 2014年5月19日掲載記事に一部加筆訂正

2014年6月26日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

自然エネルギーの発展に関する世界の潮流については、ドイツを始めとする欧州の事例が紹介されることが多い。それに比べると米国の状況はあまり知られていないし、米国全体で見ると自然エネルギーの割合は13%程度であるので、欧州より遅れている。しかし、州ごとに見るとドイツなどの自然エネ先進国に匹敵するところもある。

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電気事業法の改正2:小売り全面自由化の鍵はサービス競争

2014年6月12日 高橋洋 富士通総研主任研究員

2014年6月11日に、電気事業法が改正された。これは、昨年から進められている電力システム改革の第2段階に当たり、電力小売り市場の全面自由化を実現するものだ。この結果、これまで独占だった小口向けの7兆円の市場が開放されると、多様な新規参入企業が関心を寄せている。しかし、そう簡単に競争が起きるのか、注意が必要である。

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際立つ自然エネルギーの躍進:ドイツ政策の成功と新興国での発展
第五回クリーン・エネルギー大臣会合自然エネルギーラウンドテーブル参加感想

2014年6月6日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

2014年5月12、13日にかけ、第五回クリーン・エネルギー・ミニステリアル(クリーンエネルギー大臣会合・CEM)が、韓国・ソウルで開催された。自然エネルギー財団 理事長のトーマス・コーベリエルが、自然エネルギーのラウンドテーブルに招聘されたため、筆者もオブザーバー参加してきた。

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「連系線」にまつわる誤解と神話

2014年5月29日 安田陽 関西大学システム理工学部准教授

再生可能エネルギーに関しては、残念ながら多くの誤解や神話が日本に蔓延していると言わざるを得ない。数値を調べグラフを描けば一目瞭然なのに、エビデンスを示さずに先入観だけで議論すると、あるいは都合のよいデータだけで一面的な解釈をすると、誤解や神話が形成されやすい。本稿ではそのような神話を解体していきたい。

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IPCC最新報告書における原子力発電の位置づけ

2014年5月22日 明日香壽川 東北大学 東北アジア研究センター教授/環境科学研究科教授

日本には、「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)」は原子力発電を推進」と誤解している人が少なくない。しかし、実際には、「原子力発電は温暖化対策に貢献するものの、決して不可欠なものではなくリスクも大きい」というのが最新のIPCC第五次評価報告書(以下では報告書)のメッセージである。

まず、報告書の第三作業部会の政策決定者用要約には、原子力発電の評価に関する次のような記述がある。

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未来の世代のために:放射性廃棄物の処分費用を考える 英語オリジナル

2014年5月15日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

原子力発電所の「競争力」を考える上で、放射性廃棄物処分にいくらかかるかということは、最も重要な側面の一つだといえる。これまでの経験で明らかなのは、放射性廃棄物処分の費用は原発が運転開始されてからずっと後に発生するため、過小評価されやすいことである。数十年前なら、こうした費用の過小評価は、単に無能だったからわからなかった、とされていたのかもしれないが、世界中で経験が蓄積されるにともなって、実際の費用について知らないふりをすることは、次第に難しくなってきた。原発を長い間利用してきた国では、廃棄物処分が実際に始まっていて、これにかかる費用は、明白で否定できないものになりつつある。

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オーストリアにおける木質バイオマスの成功とその日本への応用 英語オリジナル

2014年5月8日 ハインツ・コペッツ 世界バイオエネルギー協会代表

オーストリアでは、820万人の国民が350万世帯の家庭で暮らしている。国土の面積は8万4000 平方キロメートルで、その50%近くは森林に覆われている。

木質バイオマスの発展への取り組みは、1978年に始まった。この年、国民投票が行われ、すでに完成していた同国初の原子力発電所を稼働させないことが決められた。この決定を皮切りに、自然エネルギーを推進する政策が展開されることになった。

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電気事業法の改正:広域運用とは何か? 英語版

2014年5月1日 高橋洋 富士通総研主任研究員

安倍内閣の下で、電力システム改革が三段階にわたって進められている。その第一段階が、昨年11月の電気事業法の改正であり、来年には「広域的運営推進機関」が設置されることになっている。この機関は極めて重要であると筆者は考えるが、日本では、「広域的運営」あるいはより一般的に「広域運用」という言葉になじみが薄く、そもそも何をするのか理解が進んでいないように思われる。

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2020年東京オリンピックと持続可能性 英語版

2014年4月24日 大野輝之 自然エネルギー財団 常務理事

オリンピックと環境の関係が明確に意識されるようになったのは、1994 年に国際オリンピック委員会(IOC)が、パリで開催されたオリンピック100 周年会議において、「スポーツ」「文化」に加え、「環境」をオリンピック精神の第三の柱とすることを宣言して以来である。IOCのこうした環境重視のスタンスを受け、2000年のシドニーオリンピックも、「グリーンゲーム」という考え方を導入したが、立候補段階から「持続可能なオリンピック」をメインコンセプトに掲げたのは、2012年ロンドンオリンピックである。

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世界的なエネルギー転換に必要なのは新しいビジネスモデル
大規模エネルギー事業者は分散型のエネルギー生産という現代の潮流を無視してはならない
英語オリジナル

2014年4月18日 ステファン・シュリグ 世界未来協議会 気候エネルギー部門 ディレクター

世界的な自然エネルギー転換のためには、3つの段階を経ることが必要だ。第1段階は技術を開発し、それを市場価値のあるレベルにまで発展させること。第2段階は価格を下げることで、少なくとも従来のエネルギーシステムより安価に提供することが求められる。そして、第3段階は、分散型エネルギーの生産と次世代型流通システムにもとづいて、既存のエネルギーインフラを段階的に最新化していくことである。つまり、包括的な自然エネルギーの経済を通じ、化石燃料と原子力の使用を廃止していくことを意味する。

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コミュニティー・パワーの島:デンマーク・サムソ島 英語オリジナル

2014年4月11日 ソーレン・ハーマンセン サムソ・エネルギー・アカデミー代表

サムソ島は、農業に従事する人たちと、共同生活を営むのに必要な機能をひと通り備えた、どこにでもある小さなコミュニティで構成されている。他と異なるのは、自然エネルギーが人々の活動を支えている点だ。サムソ島では風力発電量が島内の消費電力を上回り、バイオマスとソーラーが暖房需要を賄っている。また、高コストな化石燃料の輸入を削減したので多額の余剰資金が生まれている。その資金は、より優れたインフラ設備とスマートエネルギーシステムに投資されており、また住宅の断熱や省エネ効果の高い窓の導入など一般的な改修費用に充てられている。

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「ベースロード」にまつわる誤解と神話

2014年4月4日 安田 陽 関西大学システム理工学部准教授

ベースロードについてはトーマス・コーベリエル氏が2月28日付コラムで取り上げているが, 21世紀の今日,世界で「ベースロード」という用語や概念がどのように語られているかというバックグラウンドを把握しないと,多くの日本人にとって氏のコラムは唐突に聞こえ,その主張を理解することは難しい。そこで本コラムでは,このベースロードが海外でどのように扱われているかを紹介したい。

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ドイツ固定価格買取制度は技術革新にも気候変動にも貢献しない?
科学的視点に欠けた政策批判

2014年3月28日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

2000年から2013年のわずか10数年で、自然エネルギーの電力消費に占めるシェアを6%から25%に増やし 、世界で最も成功したと言われるドイツの自然エネルギー政策。1990年代から、次々に打たれた合理的な政策ミックスの結果だが、やはり一番効果を発揮したのは、固定価格買取制度(ドイツ流に言えばEEG)だと言っていい。旧態依然とした一律の設置補助金ではなく、発電へ事業安定性やインセンティブを与えるため、系統への接続と発電を保証し予め決められた価格で買い取る方法である。固定価格買取制度やそれに類似した政策は、今や、100にのぼる国や地域で導入されている。日本でも導入17ヶ月で太陽光発電の累積導入量を2.2倍にするなど、大きな成果をもたらした。

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「エネルギー基本計画」政府案が語らない三つの事実

2014年3月20日 大野 輝之 自然エネルギー財団 常務理事

自然エネルギー財団は、先週、政府の「エネルギー基本計画」案に対する見解を公表した。その中では、政府案が福島原発事故の災禍を経験し、気候変動の危機がIPCC第5次報告でもますます明らかになるという状況にもかかわらず、原発と石炭火力の双方を「重要なベースロード電源」と位置付けていることを指摘した。政府案は、原発と石炭火力がいかに重要なものか、あれこれと書き込んでいる。

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日本の太陽光発電事情を一新した固定価格買取制度
『Recharge』誌 2014年2月3日掲載(掲載原文は英語。数値は掲載時最新のまま)

2014年3月19日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

「固定価格制度」の導入以降、日本でも、自然エネルギーの導入が急速に伸びている。2012年7月から2013年10月末までの16ヶ月で、5.86GWの自然エネルギー設備が運転を開始している。

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ドイツのエネルギー大転換 その最新の展開 英語オリジナル

2014年3月14日 ステファニー・プファール ドイツ連邦環境・自然保護・原子炉安全省 風力・水力発電部部長

2000年に、ドイツで最初の「自然エネルギー促進法」(EEG)が採択された。当時、発電に占める自然エネルギーの割合はわずか3%に過ぎなかった。その後14年間で、自然エネルギーは電力総消費の約25%を占めるまでに成長した。風力、PV、バイオマス、水力や、少しの地熱発電などだ。ドイツの目標は、2050年までに自然エネルギーの占める割合を80%までに伸ばすことだ。この目標は、単に原子力を段階的に廃止するためだけでなく、気候変動対策として二酸化炭素の排出量を大幅に削減するためのものでもある。

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自然エネルギーを市場にアクセスさせる制度が必要だ

2014年3月7日 大林ミカ 自然エネルギー財団 事業局長

日本の「固定価格制度」は、4月から新しい価格設定の下、3年目を迎えることになる。制度導入以降、日本では太陽光発電が大きく伸びている。今公表されている2013年11月までの数値では、日本の大規模水力以外の自然エネルギー発電が2,700万kW以上になった。太陽光は、制度前の560万kWを上回る626万kWが16ヶ月で導入されている。

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自然エネルギー:福島コミュニティの希望 英語オリジナル

2014年3月7日 ステファン・ゼンガー 世界風力エネルギー協会事務局長

その景観の美しさと住民の温かさにもかかわらず、福島県や福島市の名前は、原子力事故と結びつけられることが多くなっている。このイメージを覆すためには、福島県が「すべてのエネルギーを再生可能エネルギーで賄う」という賢明な決断を下したことを、基盤にするべきではないか。福島は、自然エネルギー先進自治体として、世界に名を馳せることができるようになるかもしれない。

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「ベースロード議論」の幻は消えつつある 英語オリジナル

2014年2月28日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

自然エネルギーは、化石燃料火力や原子力よりも低コストである。風力はもちろん、最近では太陽光も、原子力発電所を新設するより低い投資額で建設できる。そして、いったん完成すると、太陽光や風力は、燃料費をかけずに発電し続ける。

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日本における太陽光発電:ボトムアップからの分析 英語オリジナル

2014年2月21日 マイケル・ロゴル PHOTONコンサルティング代表

トップダウンで見ると、日本の太陽光発電業界は健全な市場であると言える。年間の総売上高は2008年の10億ドルから、2010年には60億ドル、そして2012年には100億ドルにまで増加した。2013年には著しく成長し、総売上高は250億ドルに及び、2014年には280億ドルに達すると予想される。これは2014年には日本の人口ベースでみると一人あたり約220ドルの支出となり、2008年の12ドルから大きく増加している。太陽光発電は、日本経済の中で最も大きな支出区分であると考えられる。

日本における太陽光発電:ボトムアップからの分析

日本の自然エネルギーの未来 英語オリジナル

2014年2月14日 エリック・マーティノー 自然エネルギー財団 上級政策アドバイザー

わたしの自然エネルギー分野とのかかわりは25年におよび、日本の生活もこれで5年になる。これまでの経験から言えることがひとつある。自然エネルギー分野で日本が世界のリーダーになることは容易である、ということだ。ただ、リーダーになるには、自然エネルギーに対する発想とメンタリティーの転換がどうしても必要である。

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エネルギー政策を普通の人々の手に

2014年2月7日 末吉 竹二郎 自然エネルギー財団 代表理事副理事長

地球が危機に向かっている。無論、無機質な地球が壊れるという意味ではない。「生命維持装置としての地球」のことである。その危機とは言うまでもなく、温暖化の危機であり、生物多様性の破壊であり、地球資源の枯渇等である。それだけではない。地球社会においては、極端な貧困の問題であり、格差の拡大であり、人権や感染症等の問題でもある。

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他国では風力が早く安価に設置できるのに、なぜ日本の電力会社は高価な輸入燃料を選ぶのか? 英語オリジナル

2014年1月31日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

風力は、今では世界の大多数の国で最も安価な電力資源だ。新しい石炭火力発電所ですら風力発電にはかなわない。石炭の国際市場価格が、中国や米国の需要が予想を下回ったために低減しているにもかかわらず、である。

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東京都知事選挙と「原発問題」について

2014年1月31日 大野 輝之 自然エネルギー財団 常務理事

「原発は都知事選の争点にふさわしくない」という意見がある。東京は、老朽化するインフラ対策、防災、待機児童、一人暮らし高齢者への対応など多くの課題に直面しており、選挙がシングルイシューではいけないのは、そのとおりだ。

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エネルギー資源いかし、日本は飛躍せよ 英語オリジナル

2014年1月24日 エイモリー・B・ロビンス ロッキー・マウンテン研究所 共同創設者、主任研究員
自然エネルギー財団 理事

日本は化石燃料の資源が乏しい国だが、自然エネルギーの資源は工業国のなかでも豊富だ。面積あたりでドイツの9倍にもなる。しかし、自然エネルギーによる電力の導入量はドイツの9分の1だ。電力会社による寡占的体制が、競争を阻んできたからだ。

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地方からエネルギー政策を問う

2014年1月17日 大野 輝之 自然エネルギー財団 常務理事

政府は、1月中に予定していた「エネルギー基本計画」の閣議決定を先送りすることにしたと報じられている。原案が、原発を「基盤となる重要なベース電源」と位置付けたことに批判が広がっているためだ。政権与党の中からも異論が表明され、原子力委員会からも策定プロセスに対する批判的な意見が表明された。

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日本は賢明な選択を 英語オリジナル

2014年1月17日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長

日本は、核燃料や化石燃料など、高価で環境に悪影響をおよぼす輸入燃料に依存している。そして、天然ガス、石油、ウラン、石炭などの高価な燃料しか選択肢がないかのように語る人が多い。将来世代の命を破壊することは避けられず、その方法として放射能汚染をとるか、急速な気候変動をとるか、二者択一しかないと言うのだ。

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