連載コラム 自然エネルギー・アップデート

エネルギー対策が実証された2014年 英語オリジナル

2015年3月6日 トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長
木村啓二 自然エネルギー財団上級研究員

2014年、日本は50年ぶりに原発稼働ゼロで丸一年を過ごした。一方、太陽光エネルギーからの発電は大幅に増加した。その結果2014年は、日本でも化石燃料の消費を削減できることを証明する年となった。発電用の石油消費減少量が、その補てんに充てられた天然ガス消費増加量を上回ったのである。

日本はようやく、輸入した化石燃料や核燃料への依存度を弱め、国内の自然エネルギー資源による電力の割合を大幅に上昇させることができた。これは、大変喜ばしい成果である。また、石油、ガス、石炭の国際価格の下落により、化石燃料の輸入にかかるコストを削減できたことも、今後の明るい材料となっている。

米国でも、自然エネルギーは順調に発展している。新たに導入された設備容量で見ると、自然エネルギー発電は天然ガス火力発電を上回った。発電量の伸びについては、自然エネルギーは石油, 石炭 、原子力の合計と比べて30倍以上も増加した。

ドイツでは、石炭、褐炭、ガス、原子力による発電量が減少し、太陽光、風力、バイオマスによる発電量が増加した。ドイツにおける風力発電所の新規設備容量は、2014年、過去最高となった。

最も著しい発展を遂げたのは中国だ。前年と比べて、化石燃料による発電量が30 TWh(300億 kWh)近く減少したのに対し、自然エネルギー電力の発電量は200 TWh(2,000億 kWh)以上増加した。

自然エネルギーの台頭によって、化石燃料と原子力エネルギーの減少による副作用なく経済成長が可能であることが、世界的に証明されたのだ。

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