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100%自然エネルギー目標は世界の大きな潮流に!

ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 上級研究員

2020年4月27日

in English


近年、電力を100%自然エネルギーでまかなうという目標が、世界中で大きな潮流となってきている。

 安価で持続可能性があることから、電力やその他のエネルギーを、100%自然エネルギーで賄うという目標は、世界各地のさまざまな政府や組織が目指す共通の動きとなっている。このコラムでは、最近の主要かつ野心的な展開を取り上げる。

 はじめに、「100%自然エネルギー」と「100%クリーンエネルギー」の達成は同じではないことを明確にしておく。自然エネルギーとは、バイオエネルギー、地熱、水力、海洋、太陽光そして風力エネルギーのことであり、「クリーンエネルギー」には、それら自然エネルギーに加えて、原子力も含まれるという大きな違いがある。

 2018年時点で、国レベルで100%自然エネルギーの達成を目標に掲げていたのは65か国で1、この多くが、2016年に、2050年までに100%の自然エネルギー電力を達成することを発表した「気候脆弱性フォーラム」の加盟国(コロンビア、ケニア、ベトナムなどをはじめとする48の途上国)だった2。先進国では、デンマークが最初にこの目標(2050年まで)を設定し順調に推移しており、スウェーデン(2040年)、ポルトガル、スペイン(ともに2050年)もここ数年で100%自然エネルギーの電力目標を表明している3。コスタリカ、アイスランド、ノルウェーなど数か国は、すでにこの目標を達成、またはほぼ達成している4

 2020年3月時点で、地域レベルでは、米国の4つの州が100%自然エネルギーの目標を採択している。この流れは、2015年にハワイ州が、2045年までに電力における自然エネルギーの割合を100%にすることを義務付けたことがきっかけとなった。その後、2019年にメイン州、2020年にバージニア州が同じ政策を採択し、ともに2050年までに100%自然エネルギー電力を義務付けている。先行するロードアイランド州は、2030年に100%自然エネルギーとする任意の目標を推し進めている5

 さらに2019年半ば時点で、世界各地の250以上の都市が、主に電力セクターにおいて100%自然エネルギーを達成することを目標に掲げている。2010年にこうした宣言をしている都市は10にも満たなかった。たとえば、オーストラリアのシドニー(2020年)、カナダのエドモントン(2030年)、フランスのパリ(2050年)、ドイツのミュンヘン(2025年)そしてスペインのマドリード(2050年)などが挙げられる6
そして、電力を100%自然エネルギーに替えていくことを目指す企業の数も増え続けている。2014年に発足した世界的なイニシアティブ「RE100」は、使用する電力を100%自然エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する。2020年4月15日現在、RE100の賛同団体は230に上る。中には大きな成功を収めているインカ(旧イケア)、アップル、バンク・オブ・アメリカ、BMW、コカ・コーラ・ヨーロピアン・パートナーズ、イーベイ、フェイスブック、ゼネラルモーターズ、ゴールドマン・サックス、グーグル、レゴ、マイクロソフト、ナイキ、スターバックス、ウォルマートなどが含まれている7

 日本でも同様に、福島県、長野県、徳島県、浜松市の地域や、イオン、富士通、花王、パナソニック、リコー(この活動の先駆者)、ソニーなど30社以上が100%自然エネルギーを目指して先駆的な取り組みを行っている。

 日本で起こっているこうした地域や企業の動きは、とても励みになるものだ。彼らにとっても最善の方法であり、間違いなく今後も拡大していく動きであると思われる。しかし日本の政府レベルでは2030年までの発電電力量に占める自然エネルギーの目標はわずか22~24%であり、それ以降の明確なビジョンは掲げられていない状態である8。さまざまな国や地域で野心的かつ現実的な行動が進むなかで、重要な長期戦略に欠ける日本の状況は、特に際立っている。

 世界レベルでは、今世紀半ばまでに100%自然エネルギーを達成することはじきに新たな標準となるであろう。自然エネルギー資源が豊富な日本は、こうした目標の採択を真剣に検討すべきである。
 
  • 1Renewable Energy Policy Network for the 21st Century「Renewables Global Status Report 2019」(2019年6月)。
  • 2Renewable Energy Policy Network for the 21st Century「Renewables Global Status Report 2017」(2017年6月)。
  • 3Renewable Energy Policy Network for the 21st Century、前掲書中、注記1。
  • 4コスタリカについては、Renewable Energy Policy Network for the 21st Century、前掲書中、注記1より。アイスランドとノルウェーについては国際エネルギー機関(IEA)「Renewables Information 2019」(2019年8月)より。
  • 5自然エネルギー財団「Innovative Renewable Energy Policies: More Ambitious, More Forward-Thinking 」(2020年4~5月公表予定)。
  • 6Renewable Energy Policy Network for the 21st Century「Renewables in Cities – Global Status Report 2019」(2019年11月)。
  • 7RE100、Companies(2020年4月15アクセス)。
  • 8経済産業省「長期エネルギー需給見通し」(2015年7月)。

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギーで豊かな日本を創ろう!アクション
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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