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先進企業の自然エネルギー利用計画(第23回)第一生命保険、2023年度までに自然エネルギー100%追加性のある電力をPPAで拡大

石田 雅也 自然エネルギー財団 シニアマネージャー(ビジネス連携)

2022年5月18日

[詳細レポート]
先進企業の自然エネルギー利用計画(第23回)
第一生命保険、2023年度までに自然エネルギー100%
追加性のある電力をPPAで拡大


 大手の金融機関の先頭を切って、第一生命保険が脱炭素の取り組みを加速させている。自社の事業で使用する電力を2023年度までに自然エネルギー100%で調達する目標を掲げたほか、火力発電に対する投融資をいち早く禁止して、気候変動に立ち向かう姿勢を鮮明にした。生命保険事業の基盤になる安定した社会を目指す一方、38兆円にのぼる資産を運用する機関投資家として、投資先にも自然エネルギーを活用したCO2削減を求めていく。

自然エネルギーの比率は2021年度に約80%に

 自然エネルギーの電力100%を目指す国際イニシアティブの「RE100」に加盟する日本企業は、2022年5月11日の時点で70社にのぼる。大半の加盟企業が2040年か2050年までに100%の目標を掲げたのに対して、第一生命保険は2023年度と極めて早い目標を設定した。欧米の大手金融機関が2020年から2025年にかけて自然エネルギー100%を達成することに対抗するためだ。グローバルな事業を展開するうえで、脱炭素に出遅れると競争力が低下する状況になってきた。

 第一生命保険の電力使用量は年間に2億kWh(キロワット時)を超える。RE100の対象になる事業拠点全体で見ると、自然エネルギーの比率は2019年度に約10%だったが、2020年度に約50%まで上昇した。さらに2021年度には約80%になり、2年後の2023年度に100%を達成できることはほぼ確実だ(図1)。電力を使用する拠点ごとに契約を見直し、自然エネルギー100%の電力メニューへ切り替えを進めている。非化石証書を組み合わせた電力メニューを採用するほか、契約の切り替えがむずかしい拠点では証書のJ-クレジットを購入する。一方で省エネ対策を実施して、電力使用量を低減させてコストの増加を抑制する。

図1.第一生命保険のRE100達成ロードマップ 出典:第一生命保険

 ただし電力メニューや証書は将来に価格が変動する可能性があり、必要な量を長期間にわたって調達できる保証はない。それに加えて、既設の発電設備が供給する自然エネルギーの電力や証書を購入しても、電力システム全体のCO2削減にはつながらない。気候変動を抑制するためには、自然エネルギーの発電設備を新たに追加して、火力発電を代替することが望ましい。そのような追加性のある自然エネルギーの電力を調達することがRE100の加盟企業に求められるようになってきた。

オフサイトPPAに続いてオンサイトPPAも実施

 第一生命保険は発電事業者とコーポレートPPA(電力購入契約)を結んで、追加性のある自然エネルギーの電力を長期に固定価格で調達する計画を進めている。コーポレートPPAには2種類ある。発電設備が電力の利用拠点から離れている場合にはオフサイトPPA、同じ敷地内にある場合にはオンサイトPPAを締結できる。この2種類のPPAを通じて、新設の自然エネルギー発電設備を増やしていく。

 2021年9月に最初のオフサイトPPAを締結した。発電事業者のクリーンエネジーコネクト(CEC)と契約して、CECが新設する22カ所の太陽光発電所の電力を20年間にわたって購入する。発電所の規模は合計すると2MW(メガワット=1000キロワット)になる。22カ所の太陽光発電所は予定通り運転を開始して、2022年2月から東京都内にある第一生命のビル3棟に電力の供給を開始した(図2)。

図2.オフサイトPPAの契約形態 出典:第一生命保険

 もう一方のオンサイトPPAは、第一生命が営業オフィスとして使っているビルを対象に検討中だ。関東エリアにある16カ所から導入を開始して、その後に他のエリアにも拡大していく。オンサイトPPAではビルの屋上を事業者に提供して、太陽光発電設備の建設から運転・保守までを事業者に委託する。第一生命は発電した電力を買い取ってオフィスで使用する契約になる(図3)。

図3.オンサイトPPAの契約形態 出典:第一生命保険

 ただしオンサイトPPAとオフサイトPPAともに、通常の電力契約にはない各種の条件を事業者と調整して合意する必要がある。実際の発電量が想定値から増減することも考慮しなくてはならない。日本国内では電力のユーザー企業が締結するPPAの事例はまだ少なく、事業者にもノウハウが不足しているのが現状だ。他社に先がけて新しい調達方法を採用するリスクと言えるが、いち早くノウハウを取得して追加性のある自然エネルギーの電力を早期に拡大することが可能になる。先行者ならではのメリットがある。

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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