インフォパック鉄鋼業の脱炭素化に向けて欧州の最新動向に学ぶ

2021年12月14日

in English

公益財団法人 自然エネルギー財団は、この度インフォパック「鉄鋼業の脱炭素化に向けて:欧州の最新動向に学ぶ」を公表しました。

2020年、日本は2050年までの脱炭素化を実現することを宣言しました。日本は、産業部門の排出が温室効果ガスの37%を占め 、中でも鉄鋼業が最大の排出源となっています。しかも鉄鋼は多くの産業で使用される素材であり、日本製の工業製品のカーボンフットプリントを小さくし、国際市場の中で競争力を維持するためにも、上流にあたる鉄鋼業から脱炭素化を進めていくことが必要です。

これまで鉄鋼業は、高温熱を必要として、加えて還元材として炭素(コークス)を使うことから、CO2の排出量が多く、脱炭素化が難しいと考えられてきました。しかし本インフォパックが明らかにしているように、水素による直接還元や電炉によるスクラップ鉄の利用など、脱炭素化のオプションはすでに方向性が明らかになっています。特に欧州では、政策的な枠組みづくりが鉄鋼各社のグリーン製鉄への転換を後押ししてこの分野で世界をリードしており、日本の政策議論に大きな示唆を与えると考えられます。

本インフォパック、および同時に発表したドイツのシンクタンク、アゴラ・エナギーヴェンデのレポート(翻訳)が鉄鋼部門の脱炭素化に向けた議論を活性化させ、未来に繋がる意思決定に貢献できれば幸いです。
 

<目次>
1. はじめに:加速が必要な鉄鋼業の脱炭素化/脱炭素政策で先行するEU
2. 先行するEU鉄鋼業 脱炭素化への動き
  1) 鉄鋼の脱炭素化で先行するEU:概観
  2) 先行するEU1:政策
  3) 先行するEU2:鉄鋼業界
  4) 先行するEU3:需要側の企業
3. 脱炭素製鉄の技術オプション
  1) 主な脱炭素製鉄の技術オプション
  2) 電炉法
  3) 水素直接還元:電炉法
  4) 高炉:転炉+CCUS法
  5) 主要脱炭素技術手法のコスト比較
4. おわりに


<関連リンク>
[参考和訳] 岐路に立つ世界の鉄鋼:世界の鉄鋼セクターが2020年代にカーボンニュートラル技術に投資すべき理由(2021年12月)

 

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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