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提言
日本のバイオエネルギー戦略の再構築
バイオエネルギー固有の役割発揮に向けて

2018年4月13日

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提言
日本のバイオエネルギー戦略の再構築
バイオエネルギー固有の役割発揮に向けて

公益財団法人 自然エネルギー財団は、「日本のバイオエネルギー戦略の再構築 バイオエネルギー固有の役割発揮に向けて」を公表しました。

世界で進む脱炭素化の流れの中で、IEAの2℃シナリオにおいて、2060年の最終エネルギー消費量の17%を担うとされるなど、バイオエネルギーに大きな役割を果たすことが期待されています。バイオエネルギーは、熱部門での利用が可能であるなど太陽光や風力とは異なる特徴を持ち、林業や農業と親和性が高く、地域社会における大きな経済効果があることなどから、その特徴を活かした制度設計が必要です。

日本でも、バイオエネルギーは大きなポテンシャルを持っており、特にFiT制度の導入後、発電分野を中心に急速に利用が進んでいます。しかし、熱利用の促進や持続可能性の確保など、多くの課題が残されており、政策の見直しが急がれています。課題の背景には、そもそもバイオエネルギーの特性や、我が国のエネルギーシステムの中で果たしていくべき課題が明らかにされないまま、政策が展開されているという問題があると考えられます。

そこで、本提言では、日本のバイオエネルギー政策や市場の課題を解決し、将来の方向性を示すために、バイオエネルギーの基本特性を概観するとともに、バイオエネルギーの利用で先行する欧州の経験を整理しました。その上で、日本のバイオエネルギー戦略の再構築のために、長期的なビジョンの明確化を行うとともに、利用分野ごとの当面の戦略を示しています。

自然エネルギー財団では、今回の提言で示された戦略的な枠組みに基づき、バイオエネルギーの固有の役割を活かした利用の実現に向けて、引き続き活動を行っていく予定です。

<目次>

  1. 1.はじめに:本レポートの位置づけ
  2. 2.日本のバイオエネルギー市場の現状と課題
    1. 2-1. 発電セクター:バランスを欠いた市場の発展
      1. (1) 国内材:FiT後の不透明な見通し
      2. (2) 輸入材:持続可能性と石炭混焼に関わる問題
    2. 2-2 進まない熱利用
  3. 3.戦略の再構築にあたり考慮すべき事項
    1. 3-1.バイオエネルギーの基本特性
      1. (1) 多様な利用方法の存在
      2. (2) 資源の分散と有限性
    1. 3-2.欧州におけるバイオエネルギー発展の経験
      1. (1) 特性を活かした利用
      2. (2)低コストで持続可能な燃料調達の追求
      3. (3) 適切な政策誘導
    1. 3-3.今後想定される世界的なトレンド
      1. (1) 太陽光・風力との役割分担による独自性の発揮
      2. (2) 世界で広がるバイオエネルギー利用
  4. 4.日本のバイオエネルギー戦略の再構築
    1. 4-1.長期的なビジョンの明確化
      1. (1) VREとの関係に基づくバイオエネルギーの役割の整理
      2. (2) 持続可能な利用ポテンシャルの精緻化
    2. 4-2.利用分野ごとの当面の戦略
      1. (1) 電力部門におけるFiT制度の見直し
      2. (2) 熱利用推進
      3. (3) 低コストで持続的な燃料供給の実現
      4. (4) 地域主導のエネルギー転換への貢献
  5. 5.終わりに

<関連リンク>
国内バイオエネルギーの活用に向けて
世界の最良の取組と日本の実践から学ぼう

(2018年6月28日)

バイオエネルギー発電に関するFiT制度へのコメント
燃料の持続可能性確保と適切な発電技術へ

(2017年12月25日)

バイオマス混焼:石炭火力の削減に繋がる制度に
(2017年9月27日)

リスクの高いパーム油発電:持続可能性基準づくりを急げ
(2017年9月4日)

世界の取組から学ぶバイオエネルギーの基本原則
―バイオエネルギー国際シンポジウム報告―

(2017年6月8日)

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外部リンク

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  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
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