国際シンポジウム「REvision2024」の見どころ世界は自然エネルギー3倍化へ進む

2024年3月5日

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3月14日に開催する 「REvision2024:世界は自然エネルギー3倍化へ進む」の見どころをご紹介します。

開会セッション:自然エネルギー3倍化をめざす世界

 COP28では、2030年までに世界の自然エネルギーを3倍化することが世界全体の目標として決定されました。2030年まであと6年、日本の「常識」ではとても難しい目標に思えますが、このセッションでは、3倍化を視野に入れて進む世界の動きを、各国から参加する5人のエキスパートが報告し、実現への課題を議論します。

 自然エネルギー3倍化をけん引しているのは太陽光発電です。世界の太陽光ビジネスを代表するグローバル・ソーラー・カウンシルのCEO、ソニア・ダンロップさんから劇的なコスト低下と大量供給が進む太陽光発電の最新状況とこれからの展望をお話しいただきます。

 米国エネルギー省アジア担当ディレクターのケン・ヴィンセントさんからは、インフレ抑制法(IRA)の成立後、自然エネルギー開発やバッテリー製造の大型プロジェクトが急増している米国の状況をご報告いただきます。

 オーストラリアはこれまで、そして現在でも日本にとって最大の天然ガス、石炭の輸入元です。しかし、オーストラリアのエネルギー政策はいま大きく変わり、「自然エネルギー超大国」になることが目標とされています。同国の政策転換をけん引してきた「クライメート2000」の創設者、サイモン・ホームズ・ア・コートさんから何が政策変更をもたらしたのか、そして日本とオーストラリアの関係はどう変わっていくのか、今後への示唆をいただきます。

 東南アジアでも化石燃料から自然エネルギーへの転換が始まっています。この地域の最大の経済大国・エネルギー大国であるインドネシアの状況、ASEANの動向をエッセンシャル・サービス改革研究所(IESR) 所長のファビー・トゥミワさんからご報告いただきます。

 これら4人のスピーカーに、自然エネルギー財団理事長トーマス・コーベリエルが加わり、3倍化への課題、日本でのエネルギー転換の加速に何が必要なのかを考えます。

セッション1:ブルームバーグNEF、太陽光発電協会、自然エネルギー財団が2035年のエネルギー像を示す

 今年はエネルギー基本計画の3年ぶりの改定が行われます。セッション1では、IPCCが提起した2035年までの温室効果ガス60%削減、COP28で決まった世界の自然エネルギー設備容量の2030年までの3倍化を、この改定にどう反映し、日本でいかに実現していくのかを議論します。

 ブルームバーグNEFは昨年7月、日本ではアンモニア・石炭混焼のような高コストの技術に頼らず、エネルギー自給率を強化しながら、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにすることが可能とするエネルギー見通しを公表しています。アジア太平洋地域統括のアリ・イザディさんから、これを踏まえた2035年の展望をお話しいただきます。

 排出削減、エネルギー転換で一番大きな役割を果たすと期待されているのは太陽光発電です。太陽光発電協会事務局長増川武昭さんからは、現在、策定が進められている、従来の導入目標を大幅に引き上げた"PV OUTLOOK 2050"についてご紹介いただきます。自然エネルギー財団からは、木村誠一郎上級研究員が2035年自然エネルギー80%をめざす財団シナリオについて、需給シミュレーションの結果を踏まえて、その可能性と課題を報告します。

 これらの報告に対し、グローバル・ソーラー・カウンシルCEOのソニア・ダンロップさんが世界の状況から見た日本の課題を提起し、京都大学大学院経済学研究科教授の諸富徹さんが自然エネルギー拡大の経済効果などの視点から議論に加わります。セッション1のモデレーターには、気候変動問題に関して、国際的な視野から発信を続けているジャーナリストの国谷裕子さんをお迎えします。

セッション2:地域環境を損なわないこれからの自然エネルギー開発の姿を示す

 太陽光発電や風力発電開発が自然環境を破壊するという批判を耳にすることが増えています。しかし、本来、自然エネルギーは分散型の電源として自然と共存し、地域にメリットをもたらすことができるはずの電源です。セッション2では、自然エネルギー開発を地域産業の振興や地域課題の解決と結びつけて進めてきた自然電力取締役の磯野久美子さんから、様々な開発事例と開発理念をご紹介いただきます。また地域にとって“good”な自然エネルギーの普及に取り組んでいるローカルグッド創成支援機構事務局長の稲垣憲治さんからも、取組の実例とそれらの教訓についてお話しいただきます。

 自然エネルギー電力の拡大はエネルギーの大消費地である大都市にとっても喫緊の課題です。日本で初めての住宅メーカーへの太陽光発電設置義務を導入した東京都環境局から、サステナブルな都市づくりにおける自然エネルギーの役割、また地方自治体が果たすべき役割についてご報告いただきます。東京大学工学系研究科建築学科准教授の前真之さんからは、居住性能の観点からの問題提起を行っていただきます。

 モデレーターには、日本における気候変動と自然エネルギー開発議論をリードする高村ゆかりさん(東京大学未来ビジョン研究センター 教授)をお迎えします。

セッション3:洋上風力の拡大の行方

 セッション3には、資源エネルギー庁の井上博雄省エネルギー・新エネルギー部長にご登壇いただき、日本の洋上風力発電開発を加速する展望をお話いただきます。排他的経済水域(EEZ)での洋上風力開発を可能にする新法の国会提出を目前とする中で、政府がどんな戦略で自然エネルギー拡大を進めるべきか、議論にもご参加いただきます。

 世界風力エネルギー会議(GWEC)のレベッカ・ウィリアムズさんからは、先行する世界の洋上風力開発の状況とその経験を踏まえ、日本での導入加速に何が必要なのか、提言をいただきます。  

 日本からは三菱商事洋上風力の田中俊一代表取締役社長兼COOも登壇します。2021年末、日本発の洋上風力発電の入札で、同社は3つの海域すべてを落札し、衝撃を与えました。それから2年余が経過し、それぞれのプロジェクトはどのように進んでいるのか、開発の最前線をご紹介いただきます。  

 そして、続くラウンド2入札で満点での落札となった企業グループの1つ、RWE社のアジア・太平洋地域総代表イエンス・ボグステッド・オーフェルトさんより、同社の洋上風力の世界と日本でのビジネス戦略をお話いただきます。  

 さらに、国際連合アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)のマシュー・ウィッテンステインさんからは、開発が始まっているベトナム、フィリピンの洋上風力も含めアジアの動向をご紹介いただきます。  

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外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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