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2020年はコロナ・パンデミックによって世界経済が大きく減速したが、世界では自然エネルギーへの投資は加速している。IEAによれば、2020年の自然エネルギー電源への投資額は前年よりも7%増加したという1。太陽光に関して言えば、2020年のメイン市場は、中国とアメリカであった。中国は2020年末までに254百万kWが導入されている(図1)。日本は2020年末までに67百万kWが導入されており、世界第3位の位置にあり、世界的にも存在感は大きい。
図1 国別の太陽光累積導入量(百万kW)
国内に供給される太陽電池モジュールの内訳をみると、国内メーカーによるモジュールの供給は年々減少しており、他方で海外メーカーのモジュールが増えてきている(図2)。2013年度の国内に出荷された太陽電池モジュールは、73%が国内メーカーから供給されたが、その比率は年々低減し、2020年度には43%にまで低下している。特に国内生産は急速に減少しており、2020年度には100万kWを下回った。
図2 太陽電池モジュールの国内出荷量統計(万kW)
海外メーカーによる太陽電池モジュールの供給が増えていることもあり、国内で販売されている太陽電池モジュールの平均販売価格は年々下がっている。2019年に1kWあたり7.1万円だった太陽電池モジュールの価格は、2020年は5.5万円と1年で23%も価格が下がっている。ただ、この価格でも世界の太陽電池モジュール単価(約2万円/kW)に比べると2倍の水準である。
図3 国内太陽電池モジュールの販売価格推移(万円/kW)
住宅用太陽光発電システムの発電単価を推計すると、2020年は21円/kWhとなった。これは同年の平均電灯料金価格(再エネ賦課金+消費税含む)から比べても十分安価な水準にあることがわかる。このため、太陽光発電を導入することで、外部から電気を購入するよりも安価に電気を使うことができる。ただし、太陽光発電の発電量は昼間に集中するため、自家消費しきれない余剰電力が発生する。余剰電力については再エネ特措法に基づいて、一般送配電会社に公定価格で販売することが可能である。
図4 住宅用太陽光発電の発電単価と電灯料金(円/kWh)