自然エネルギー財団コメント
固定価格制度開始から一年間の導入量公表を受けて
10月4日、経済産業省は、2013年6月末までの自然エネルギーの導入量を公表した。これで、固定価格制度が2012年7月に開始されて以降一年間の導入結果が明らかになった。
発表によれば、ここ一年間に運転開始された自然エネルギー設備は366.6万kW(約367万kW)であり、固定価格制度開始以前に導入されていた約2,060万kWと合わせ、日本の自然エネルギー設備容量は約2,427万kWとなった。
一年間で367万kWもの設備が運転を開始したことは、固定価格制度の大きな効果を示している。
これら運転を開始した設備の年間の総発電量は、約45億kWhになると想定され、これは、東京電力福島第一原子力発電所4号基の2010年度の発電量に相当する 1 。自然エネルギーが、日本でも、目に見える形で活躍し始めたことの査証といえる。
一方で、367万kWのうち9.5割を占める350万kWが太陽光発電であり、固定価格制度を導入しただけでは、それぞれの特徴を持つ違う種類の自然エネルギーの促進には充分ではないことがわかる。他の先行国では、系統への接続義務など、事業を行うにあたって当然必要と思われる諸制度が、同時に整備されてきた。
特に、太陽光以外の発電設備は、計画から運転開始まで時間がかかり、1年では成果がみえにくい。今後も引きつづき、事業安定性を保証するこの固定価格制度と、系統連系やそれに伴う情報公開などの制度を充実させていく必要がある。
また、設備認定を受けた設備は、累積で約2,291万kWにも達している。これらの施設が、適切な形でできるだけ早く運転開始されるよう、内容の精査ももちろんのこと、事業環境の整備も必要である。
表1 運転開始導入量と設備認定量(万kW)
1 福島第一原子力発電所4号基の年間発電量(2010年度)はおよそ46億kWhであった。
※ 平成24年度に運転開始した設備容量には、上記の他、35万kWの石炭混焼発電が認定されているものの、発電出力のすべてをバイオマス発電設備としてカウントすることは妥当でないとして、便宜上、設備容量に含めていない。
出典:資源エネルギー庁「再生可能エネルギー発電設備の導入状況を公表します(平成25年6月末時点)」2013.
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