公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、「韓国のエネルギー政策:自然エネルギーの目標低く、原子力と火力に依存」を公表しました。
韓国は2022年にGDP(国内総生産)で世界第8位、一次エネルギー消費量で第11位の経済大国です。いずれの点においても、弱点は化石燃料の輸入に大きく依存していることです。エネルギー安全保障と環境の観点で持続性がなく、2050年までにカーボンニュートラルを目指す国の目標とも整合しません。
本レポートでは韓国の電力部門に焦点を当て、自然エネルギーの進展の遅れと意欲の欠如を明らかにします。そのうえで政府による自然エネルギーの支援策、先進的な企業による自然エネルギーの電力100%の調達に向けた取り組みについて解説します。さらに自然エネルギーに対する現政府の意欲的でない計画によって、問題の多い原子力発電と火力発電に依存し続けてしまう深刻さを指摘します。
日本と韓国は地理的に近く、エネルギー政策の点でも類似点が数多くあります。本レポートには韓国の電力部門における最新動向に関する実務的な情報を掲載しました。日本の関係者の皆様の参考になることを願っています。
<目次>はじめに
第1章:自然エネルギーで出遅れる政策
1.進捗の遅さ
2.意欲の欠如
3.克服すべき課題
第2章:自然エネルギーの拡大策
1.RPS(自然エネルギー利用割合基準)
2.太陽光発電の入札とFIT
3.電力ネットワーク
4.エネルギー購入企業
第3章:原子力と火力に依存し続ける問題
1.安全性の問題で揺れる原子力発電
2.炭素依存リスクを高める石炭火力とガス火力
おわりに
補足 A:REC(自然エネルギー証書)
補足 B:自然エネルギーの調達方法