2021年11月に発表された新政権の連立協定における新しいエネルギー政策・気候対策速報についてはこちら
公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、「ドイツの脱炭素戦略:自然エネルギー拡大と脱石炭・脱原発にむけた政策と法整備」を公表しました。
ドイツは、メルケル政権下で、2022年末に脱原発の完了、遅くとも2038年には脱石炭を完了、2030年には自然エネルギー発電で総電力消費の65%をまかなうことを法制化しました。さらに、2045年には温室効果ガス排出を実質ゼロとする気候中立達成を目指すことを決め、これらの目標を法制化しました。
そして2021年9月のドイツ連邦議会選挙を経て、11月24日に、社会民主党(SPD)・緑の党・自由民主党(FDP)の3党が連立協定を発表しました。この連立協定では、脱石炭の完了時期を「理想的には」2030年に前倒すこと、2030年に自然エネルギーで総電力需要の80%を供給するなど、メルケル政権以上に野心的な気候変動対策が掲げられています。
こうした目標を定めながら、ドイツは、どのように脱原発・脱石炭・自然エネルギー拡大を同時進行させ、脱炭素への道のりを歩んでいくのでしょうか。本レポートでは、近年のメルケル政権下における各種法律や計画を読み解くことで、(1)自然エネルギー、(2)石炭、(3)原発の3つのエネルギー源に焦点を絞って、ドイツの脱炭素戦略の内容を整理しています。
ドイツの脱炭素戦略
自然エネルギー拡大と脱石炭・脱原発にむけた政策と法整備
<目次>
目次
1. はじめに
2. 脱炭素政策・法整備の概要
2.1. 連邦気候保護法と中長期計画
2.2. 分野別目標の法整備
3. 自然エネルギー
3.1. 入札制度
3.2. 水素戦略
4. 石炭
4.1. 脱石炭完了にむけた計画
4.2. 脱石炭に伴う補償と構造転換
5. 原発
5.1. 脱原発完了にむけた計画
5.2. 脱原発に伴う補償と最終処分場選定
6. おわりに
参考文献
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