スタッフインタビュー全員が「社会システムを変える」という思いでつながっている塚本 悠平 研究員

2024年7月16日

自然エネルギー財団に入って1年。仕事とするには一般的な知識しかなかった「太陽光発電」分野を任されて当初は戸惑ったものの、この1年でかなり知見を増やせ、「必ずしも何かの専門家でなくてもここでは働ける」と思えている。気候変動問題の解決は「待ったなしの状況」と危機感がモチベーションとなり、仕事に情熱を傾ける一方、思いがけず理想的な働き方もできている。

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この海ではサーフィンができない! 環境問題への目覚め

環境問題を身近に感じたのは高校生の頃でした。サーフィンをしに京都の海に行った時です。その日の海は重油で汚れていてサーフィンができる状態ではありませんでした。サーフィンができず残念だったのと同時に、「なぜこのようなことが起きるのだろう」と疑問を持ちました。この水質汚染問題がきっかけとなり、大学の4年間は青年環境NGOの「Climate Youth Japan (CYJ)」で活動しました。気候変動が一番厄介な問題だと感じたからです。と言っても、当時、大阪の住宅地に住んでいた私は、気候変動の脅威を実感していたわけではなく、家族とアウトドアを楽しむことが多かったので、「この自然が失われるのは怖い」という漠然とした思いで活動をしていたのです。

COPで他国の若者と交流して危機感に火がついた

その思いが使命感に変わったのは、COP(国連気候変動枠組条約締約国会議)の会議に参加し、途上国の若者たちと交流したときです。彼らにとって気候変動問題は差し迫る危機どころか、すでに起こっている事実だったのです。自分が“関心”レベルで携わっているのが恥ずかしくなりました。さらに拍車をかけたのが、2018年の西日本豪雨です。祖父母の住む岡山も被害を受け、ボランティアに駆けつけました。下水管が破裂しひどい臭いが漂い、天井まで水に浸かった家もあり、その光景は凄惨でした。「日本にも気候変動の影響がすでに起こっている」。確実にギアが入った瞬間でした。

日本のエネルギー政策を変えたい思いで自然エネルギー財団へ

大学院修了後はイギリスに拠点を置く環境NGO、CDP(Carbon Disclosure Project)の日本法人に勤務しました。私の仕事は企業に気候変動に関わる情報開示を求め、その内容を評価すること。その結果を機関投資家に提供し、気候変動対策に熱心な企業に投資してもらうのです。ですが、企業側からしばしば耳にしたのは、「利用したくても、日本では自然エネルギー電力が十分手に入らず、それでダメな企業と烙印を押されるのは納得できない」という不満でした。「自然エネルギーを増やす」という根本的な問題を解決するには、どうしたらいいのだろう?と考えました。

そんなときに、学生時代から知っていた自然エネルギー財団で採用募集があることを知りました。財団の存在は知っていたし、根拠に基づく発表や提言をするシンクタンクとして信頼は寄せていました。が、そこで働くとは考えもしなかったのですが、やりたいことをやれる場所に、ちょうどいいタイミングで出会えたことが嬉しかったです。

研究職…実は人と関わる場面が多い

財団で任されているのは太陽光発電の研究です。今は岡山からリモートワークをしています。研究職というと、部屋にこもって孤独に仕事をしているイメージがあるかもしれませんが、週の半分以上は行政や企業にヒアリングをするために出張しています。関東方面であれば、東京にある財団のオフィスで同僚たちとディスカッションの時間を持ちます。人との交流から得られる情報は多く、コミュニケーションは大切にしています。

また、国際会議での発表をはじめ、海外でのヒアリングや研究会への参加もあります。海外の文献を読むにも英語力は必要です。大学時代のイギリス留学で英語のベースはできましたが、社会人になってCDPに勤務すると、本部とのオンラインミーティングや海外の方とのディスカッションも定期的にあり、日々、英語に触れることで、英語力がさらに養われました。もともと洋楽が好きで、学生時代には外国人の友人も周りにいたので、「話したい」という気持ちが強かったのも上達を後押ししたのかもしれません。
 

問題解決のために、全力でサポートしひとりでも多く仲間を増やしたい

私は環境問題にも敏感なZ世代の1年目、1995年生まれです。今ではパリ協定や食品ロスなどが学習要綱に入っていると聞きますが、私が小学生から高校生だった頃には、まだそうしたことを学校で学ぶ機会がありませんでした。気候変動問題に興味を持って、使命感を持つまでに導いてくれたのは、高校生のときにふらりと入ったアウトドアストアのスタッフや気候ネットワークのメンバーなどの大人の皆さんでした。2050年までに「二酸化炭素排出ゼロ」が目標とされていますが、事態は差し迫っていて、より早い達成が求められています。そのためにも多くの協力者が必要です。私にも支えてくれた大人がいたように、志を同じくする後輩たちがこの業界で活躍できるようにサポートすることは目標のひとつです。

公私のバランスがとりやすい、きわめてフレキシブルな職場

民間企業に勤めたことがないので比較はできませんが、自然エネルギー財団は人も働き方も非常に健康的だと感じています。当財団の皆さんは成熟した大人ばかりで、理不尽なことを言う人はいません(笑)。 全員の視線が「社会システムを変える」という大きなミッションに向いているので、ディスカッションもいつも建設的に進みます。

気候変動問題は仕事であり、自分のライフワークになっていますから、プライベートと仕事の比重は同等にしたいと思いつつも、少しだけ仕事の比重が大きくなっているかもしれません。前述したように、私は今、岡山に住んでいます。実は一般企業で営業職をしている妻の転勤についてきたのです。自分の好きな仕事を全力でやりながら、パートナーの転勤についていけることは、財団に入職した大きな恩恵です。きわめてフレキシブルに働くことができる職場である点を強調したいですね。

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採用募集情報

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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