スタッフインタビュー時間との闘いにある気候変動問題。一緒に社会を動かしたい。大久保 ゆり 上級研究員

2024年7月23日

「地球温暖化が進む社会を変えなければいけない」「社会は変えられる」という強い思いを持ちながら、保育園児の子供と家族3人で暮らす京都でリモートワークをする。ときどき東京を訪れ、同僚とのミーティングで知識欲を満たしている。また、自由度が高く、フラットな関係が築けている同僚がいる職場が好きだ。

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産業革命が世の中を短期間で変えたように、今の社会だって変われる!

子供時代の数年間をドイツで過ごし、日本に戻って受験生になったときは陶芸家か国際公務員になりたいと思いました。なぜ陶芸家だったのかわかりませんが、今の道に進んだのは外語大に受かったからですね(笑)。

大学生になった私は、大量生産・大量廃棄の経済に疑問を持つようになりました。地球温暖化が進む社会を変えなければいけない。でも、それは途方もないことです。モヤモヤを抱えていたあるとき、授業で産業革命が起こるまでのイギリスの社会経済史を学びました。今当たり前だと思っている社会も長い歴史から見れば200年というわずかな時間でできたものだと気づき、希望が見えてきました。そこから「社会は変えられる」と思うようになりました。

気候変動対策への今までの一番の貢献!?:パリ協定に向けて100か国の野心連合1を立ち上げたトニーさんとの出会い

持続可能な経済発展に興味を持ち、大学院で研究を始めるようになり、対象を太平洋に散在するマーシャル諸島共和国に決めました。海に囲まれた島々は海抜2mほどで、温暖化にひどく脆弱な国です。何度か訪れるうちに知り合ったのが、トニー・デブラムさんでした。パリ協定で決められた「世界の平均気温上昇を1.5℃に抑える」という目標において、「1.5℃」を後押しした方です。出会った当時はあまり気候変動についての活動をしていませんでしたが、その後大臣としてCOPの会場で再会したときに、「僕をこの問題に引き込んだのは君だ」と言われました。もしこれが本当なら、私のこれまでの最大の貢献はトニーさんを国連交渉の場に引き込んだことです(笑)。マーシャル諸島の研究やそこでの出会いは、温暖化対策への使命感の原動力となりました。

NGOへ… 専門性をもってやりたいことがやれる場所へ

大学院を修了して就職したのはNGO団体の地球環境市民会議でした。「気候変動対策を進めるということは経済発展の在り方も変わり、もっと衡平な社会になるはず」と思っていました。そのためには専門家と自分の意志で動く市民の連携が大切!と若い気力に満ち溢れていた私は、安定した職業ではなくNGO(当時は食べていくのが難しい印象でした…)で活動することを選びました。やりたいことをやれる場所にいたいという気持ちが強かったのだと思います。

その後、スイスに拠点を移し、非営利団体マイクライメイト気候基金でボランタリー・カーボン・クレジットの仕事をしているときに、東日本大震災がありました。多くの方が犠牲になり、原発事故が起こったことにも大きなショックを受けました。「帰国したら、自然エネルギー拡大に関わっていこう」と心に決めました。

マイクライメイト時代:インドのバイオガスプラントの前、スイスの中学生向け授業(テーマ「エネルギーと気候変動」

自分のレポートが石炭火力方針の変更の一助となった喜び

マイクライメイト日本法人を立ち上げ帰国、国内での活動に従事。その後、2015年に自然エネルギー財団に入りました。最初の仕事は気候変動問題の重要性を企業や自治体に知ってもらうことでした。当時、石炭火力発電を50基増設するという計画があり、これをなんとかしなければと、説得の糸口を探すために調査をしました。参考になったのがイギリスのシンクタンクが提唱した「座礁資産」という考え方です。石炭発電は未来の社会では負債でしかなくなる… 日本での投資リスクについて発信しました。

すると、石炭火力発電に投資をしていた銀行から「話を聞きたい」と反応があったのです! 海外とは異なり、日本でNGOが影響力を持つのはまだまだ難しいと感じていましたが、きちんと分析して、意見を出せば、現場の人たちと対立ではなく対話を通じて繋がれるんだ、という手応えをNGOで働く人生で初めて感じる体験となりました。その後日本の金融機関も石炭火力発電の新増設を中止し、当時は社会が変わる一歩の一翼を担えたようで嬉しかったです。

プライベートを優先させたいというときも理解をしめしてくれる職場

昨年は石炭火力発電の多い東南アジアの国々での自然エネルギー拡大可能性について分析、発信する活動を現地シンクタンクと協力して行うようになり、こうしたシンクタンクとの個別ミーティングと情報共有、共同メッセージの発信、同僚と協力してレポートを書いたり、セミナーやイベントの企画と開催といった仕事をしていました。

また、昨年はコロナ禍明けということで、世界が急激に動きだして国内のみならず、海外出張も多く、かなり忙しかったです。だから「今年はもう少し子供との時間を優先したい」と思っています。保育園児の子供と今はできるだけたくさん一緒に遊んであげたいんです。そういう願いにも融通を利かせてくれるのが、この財団のいいところです。在宅で働いている人も多いし、働く時間を自分でコントロールできれば高い自由度で仕事をすることができるというのは、「やりたいことしかできない」私には本当にありがたいです。
 

変革の真ん中にあるこの財団で一緒に闘う仲間を増やしたい

これから起こる社会の大変革は、自然エネルギーへの変換と共にあると確信しています。そしてその変革のど真ん中にあるのが財団です。この分野でやりたいことがある人には、自然エネルギー財団はぴったりの職場です。必ずしも今専門家である必要はないかと。「就職するにはまず準備をしなきゃ」と思うかもしれませんが、やりたいならまず飛び込んで、やりながら学べばいいと思います。大切なのは、エネルギー転換の実現に向けて人を巻き込んでいきたい、という思い。今、時代は自然エネルギーにとって追い風です。ただ残された時間は少ないのです。闘う相手は時間。だから同じ思いをもって一緒に働く仲間がもっと必要です。

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外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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