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先進企業の自然エネルギー利用計画(第14回)
ユニリーバ、世界5大陸で自然エネルギー100%を達成
サステナブルなブランドが高成長に

石田雅也 自然エネルギー財団 シニアマネージャー(ビジネス連携)
2019年12月3日
 
 サステナブル(持続可能)な社会に向けて、大胆な改革を進める企業の代表例がユニリーバである。1930年にイギリスとオランダの会社が合併して生まれたユニリーバは、現在では世界190カ国で日用品や食品を販売して、毎日25億人が利用している。今後も世界各地で製品の購入者を増やすためには、気候変動を抑制してサステナブルな社会を維持していくことが不可欠である。
 
 ユニリーバは2010年に「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」(USLP)を策定して、持続可能な取り組みを全世界に展開していくことを宣言した(図1)。USLPを構成する3つの柱の1つが環境負荷の低減である。ユニリーバが生産・販売する製品の環境負荷を、原材料の調達から使用後の廃棄まで含めて、ライフサイクル全体で2分の1に減らすことを目指す。重点項目の1つである温室効果ガスを削減するために、2030年までに事業で使用するエネルギーを電力・熱の両方とも自然エネルギー100%に切り替えていく計画である。

 
図1.「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」の目標
出典:ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
 

ケニアの自社農園に追尾式の太陽光発電システム

 事業で使用するエネルギーのうち、購入する電力に関しては2020年までに全世界で自然エネルギー100%を達成する予定だ。すでに世界5大陸(アジア、アフリカ、北米、南米、ヨーロッパ)の購入電力は、2019年9月から自然エネルギー100%に切り替わった。残るのはオーストラリアなど一部の国と地域である。
 
 ユニリーバは自然エネルギーの導入に明確な方針を定めている。最優先で取り組むのは、自家発電と電力購入契約(PPA)である。この2つの方法を組み合わせて自然エネルギーの発電設備を増やすことにより、化石燃料由来の電力の購入量を減らしてCO2排出量を削減する。ただし国や地域によっては自家発電やPPAがむずかしい場合があり、代替策として自然エネルギー由来の証書を購入する。調達方法よりもスピードを重視する。日本でも2015年からグリーン電力証書とグリーン熱証書を購入して自然エネルギー100%を実現している。
 
 自家発電の典型的な例はケニアの自社農園である。ユニリーバが運営する紅茶の「リプトン」の農園では、追尾式の太陽光発電システムを設置して、発電した電力を自家消費している。太陽光パネルの周囲には紅茶の木が植えられていて、茶葉が太陽光を受けながら光合成でCO2を吸収する(写真1)。通常の太陽光発電よりもCO2削減効果は大きく、気候変動の抑制に有効だ。

 
写真1.ケニアの自社農園に設置した追尾式の太陽光発電システム
出典:ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス
 
 

 ユニリーバが全世界でUSLPに取り組んでから10年近くが経過して、事業面の効果が明確に表れるようになった(図2)。注目すべきは、持続可能性の観点から選んだ28種類の「サステナブル・リビング・ブランド」が高い成長率を示している点だ。ユニリーバには約400に及ぶブランドがある。そのうちサステナブル・リビング・ブランドに選定した28種類は、そのほかのブランドと比べて、2018年の売上高が平均で69%も速く成長した。持続可能性を追求した製品がより多くの消費者に受け入れられた結果である。

 
図2.「ユニリーバ・サステナブル・リビング・プラン」の効果(2018年末までの実績)
出典:ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス


 ユニリーバでは自然エネルギーの調達にかかる費用を単なるコストではなくて、気候変動のリスクに備えるための不可欠な投資と位置づけている。工場で省エネを徹底してコストを削減したことにより、2008年から2018年の11年間に合計で740億円を節約できた。この財源を自然エネルギーの調達に利用する。CO2排出量の少ない持続可能な製品を拡大していけば、より大きな収益が得られることを確信しているからである。
 
 持続可能な事業に注力するユニリーバの自然エネルギー導入状況や、製品のライフサイクル全体を通したCO2削減対策などを見ながら、サステナブルな経営がもたらす事業効果を検証した。
 

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギーで豊かな日本を創ろう!アクション
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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