公益財団法人 自然エネルギー財団はこのたび、「太陽光パネルのリサイクルへ:材料の8割を再生利用、窓ガラスの原材料に」を公表しました。
まもなく太陽光パネルの大量排出が始まります。日本では2012年のFIT(固定価格買取制度)の開始以降、太陽光パネルの導入が進みました。事業用太陽光発電のFITによる買取期間は20年です。2032年以降、買取期間の終了や寿命を迎えたパネルが順次使用済みとなって処分されます。持続可能な形で資源を活用するには、太陽光パネルのリサイクルが不可欠です。
太陽光パネルは重量の8割以上をリサイクルできます。重量の6割を占めるガラスは、技術開発の進展により、建物や自動車の窓に使う板ガラスの原料として再生利用できるようになりました。全国には専用のリサイクル施設が広がっています。計画的に施設の数を増やしていけば、太陽光パネルの排出量のピークへの対応は十分に可能です。
現状の課題は、リサイクル施設に送られる使用済みパネルの量が限られていることです。施設の設備稼働率が低く、事業者は採算がとれない状況が続いています。この状況を改善するには、太陽光パネルの回収とリサイクルを促す仕組みが必要です。欧州では2010年代から太陽光パネルのリサイクル義務化を進めてきました。EU全体でパネルの回収量が増加し、リサイクル率は8割を上回っています。欧州の制度を参考に、日本でもリサイクルを義務化する法制度を整備すべきです。
2026年5月に成立した「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」は、一部の発電事業者にパネルの廃棄・リサイクル計画の策定を義務づける内容にとどまり、リサイクルそのものの義務化は先送りにしました。法律の施行後に制度見直しで、義務化を含む制度変更を進める必要があります。本報告書では、太陽光パネルのリサイクルに関する国内の状況と課題を整理したうえで、義務化に向けて議論すべき課題と対策をまとめました。
<目次>
はじめに
第1章 リサイクルのかなめはガラス
1. 分解と再製品化の技術が進歩
2. 純度の高いガラスの回収方法
3. 窓用の板ガラスに製造実証
第2章 リサイクルの現状と経済性
1. 2036年が廃棄のピーク
2. 全国に広がるリサイクル施設
3. 再生した材料の用途と販路を開拓
第3章 リサイクル義務化で産業を創出
1. 先行するドイツとフランスの法制度
2. 日本の法制度の現状と課題
3. 義務化に向けた道筋
<関連リンク>
[特設ページ]太陽光





