公益財団法人 自然エネルギー財団はこのたび、報告書「太陽光発電の設置義務化の効果:住宅に広がり、光熱費の削減に」を公表しました。
太陽光発電の導入ポテンシャルが大きい建物の屋根を活用する取り組みが、大都市から広がり始めています。東京都と川崎市は2025年4月から、新築の住宅を主な対象に太陽光発電の設置義務化を開始しました。川崎市が義務化を前に太陽光発電を導入した住民にアンケート調査を実施したところ、回答者の9割が満足していることがわかりました。最大の要因は光熱費の削減です。東京都も義務化に合わせて補助金制度を開始するなど、導入費を低減して住民のメリットを高めています。2つの自治体ともに、新築住宅の5割が義務化の対象となり、太陽光発電の導入が進展する見込みです。京都府・京都市と群馬県では、工場や倉庫などの大規模な建物を対象に太陽光発電の設置義務化を実施しています。補助金の効果もあり、京都府では導入目標を上回る成果が出ています。その一方で集合住宅の導入が進んでいない、といった課題も見られます。
この報告書では、5つの自治体(東京都、川崎市、京都府・京都市、群馬県)が推進する太陽光発電の設置義務化の効果と課題を示すとともに、ハウスメーカーなど事業者の推進策や自治体の支援策をまとめました。先行する自治体に続いて仙台市も2027年4月から、新築住宅に太陽光発電と高断熱性能を義務化する条例を施行する予定です。住宅の光熱費を削減しながら、市のCO2(二酸化炭素)排出削減目標を達成する重要な施策に位置づけています。長野県でも検討が進んでいて、大規模な新築建物を対象に2028年度から義務化を開始する方針です。国も住宅トップランナー制度と省エネ法を改正して、事業者が建物の屋根に太陽光発電を導入する取り組みを後押しします。屋根を利用した太陽光発電が全国に拡大することで、化石燃料に依存する日本のエネルギーの問題解決につながります。
<目次>
はじめに
第1章 先行した自治体に見る効果と課題
・東京都、川崎市:設置義務化で住宅の光熱費削減
・京都府・京都市、群馬県:義務量を引き上げて設置容量を拡大
・課題と解決策:集合住宅の住民へ訴求
第2章 追随する自治体、国が推進策を強化
・仙台市:2027年度から太陽光・高断熱の義務化を予定
・国の推進策:住宅トップランナー制度と省エネ法を改正
<関連リンク>
[報告書]屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ(2024年9月4日)
[特設ページ]太陽光




