公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、「屋根置き太陽光発電の拡大策:2035年に導入量5倍へ」を公表しました。
日本では太陽光発電の導入が進み、新たに導入する場所が不足している、という指摘があります。しかし実際には、現在までの導入量をはるかに上回るポテンシャルが存在します。特にポテンシャルが大きいのは、建物の屋根です。自然エネルギー財団の予測では、2035年までに現状の5倍の導入が可能です。
屋根置き太陽光発電の導入によって、さまざまなメリットを享受できます。資源価格が不安定な化石燃料と比較して発電コストが安定しており、将来は一層のコスト低減が見込まれています。建物の屋根を利用するため、新たに用地を開発する必要もありません。災害時には非常用電源として活用できて、レジリエンスの向上につながります。
ただし数多くの課題が残っていて、ポテンシャルを十分に活かせていません。本レポートでは、屋根置き太陽光発電の導入量の予測や国の目標をもとに、現在までの状況と比較しながら、解決すべき課題を洗い出しました。すでに先行して屋根置き太陽光発電の普及に取り組んでいる自治体や事業者の実施例を参考に、国や自治体、建設事業者や金融機関などがとるべき6つの施策を具体的に提案します。
<目次>
第1章 屋根置き太陽光発電の導入量とポテンシャル
1.2035年までに159GW導入可能
2.山積する課題、導入メリットの訴求が不十分
第2章 屋根置き太陽光発電の導入を加速する6つの施策
1.新築住宅への導入を0円モデルで支援
2.国が新築住宅の設置義務化を主導
3.太陽光発電に対する不動産評価制度
4.建物の種類や状態に応じた経済的支援
5.自然エネルギーの専門家を組織・育成
6.「3R」で大量廃棄を乗り切る