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2020年初の快挙:米国の電力供給、自然エネルギーが石炭と原子力を上回る

トーマス・コーベリエル 自然エネルギー財団 理事長 

2021年3月29日

in English

 米国エネルギー情報局が発表した2020年度のデータ1から、米国の電力セクターが驚くべき変化を遂げていることが明らかになった。
 
   
 2020年度は自然エネルギーの発電電力量が初めて石炭を上回ったばかりか、原子力も石炭を初めて上回り、その原子力を自然エネルギーが抜くという快挙を達成した年となった。

 2010年から2020年までの間、11基の原子炉が停止し、運転を開始した原子炉はワッツバー2号機のみにとどまっため、稼働中の原子炉は10基の減少となった。とはいえ、原子力による発電電力量は2010年から17TWh減少したにすぎない。古い原子炉を停止しても、残りの原子炉の稼働を大幅に増やすことで補っているためである。しかし、石炭による発電電力量が同期間に1000TWh余り減少したことで、2020年度の原子力による発電電力量が石炭を上回る結果となった。
 

 自然エネルギーの総発電電力量は2010年から倍増しているにすぎないが、その増加分の大半(92%)は風力発電と太陽光発電に占められている。両者の増加により、2020年の自然エネルギーによる発電電力量は初めて原子力と石炭を上回るに至った。
 


 石炭による発電電力量の減少分1000TWhのうち、50%余りを補っているのが、フラッキング(水圧破砕法)技術で実現した安価なガスの利用拡大である。そのため、化石燃料による総発電電力量の減少は400TWh余りにとどまる。2010年から2020年までの米国の総発電電力量はほぼ一定であるため、化石燃料による発電電力量の減少分400TWhを概ね太陽光発電と風力発電が賄った形である。

 概観すると: 2010年から2020年までの米国の発電電力量の推移は以下のように捉えることができる。ただし、100TWh/年未満の数字は切り捨てとする。

総発電電力量:一定
原子力による発電電力量:一定
石炭による発電電力量:1000TWh余りの減少
化石燃料ガスによる発電電力量:600TWhの増加
自然エネルギーによる発電電力量:400TWhの増加

 したがって、自然エネルギーは化石燃料に代わって電力を供給し、二酸化炭素排出量の減少に寄与していることが明確に分かる。

 ここでまだ説明していないのが蓄電池の開発である。蓄電池は電力供給を制御しながら、ガス・石炭火力発電所に取って代わる自然エネルギーを今後支えていくことになる。これは、価格が低いタイミングを見計らって電気を利用し水素を生産する動きと同様に、電力系統の運用を理解するという観点からも、ますます重要になるだろう。しかし、世界の多くの機関にとって明らかになっていない課題もある。

 米国は現在、テキサス州で発生した大規模停電の原因が、一部の風力発電設備が寒波で凍り付いたことによるのか、ガス火力発電所への燃料調達がずさんだったためか、それとも原子炉の緊急停止によるのか、その原因究明に追われているようだ。そのため、2020年初の快挙はしばらく影に潜んでいるかもしれない。

 しかし、2020年のデータは、間違いなく注目に値すると言えよう!

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギーで豊かな日本を創ろう!アクション
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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