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供給力を増す自然エネルギー:多数の電力エリアで一時需要の七割超え
2018年度第1四半期エリア需給データより

木村啓二 自然エネルギー財団 上級研究員

2018年10月5日

 ※北陸電力の値に間違いがあったため訂正しました(2018年10月10日)

 一般送配電事業者が四半期ごとに各エリアの電力需給実績データを公表している。2018年度第1四半期(2018年4〜6月)のデータが出揃ったため、ここに各電力エリア(一般送配電事業者による需給管理エリア)における自然エネルギーの供給状況を分析した。

 その結果、多くの地域で一時的に自然エネルギー電力比率が7割を超えたことがわかった。最大は四国電力の102%であった。一時的とはいえ電力供給における自然エネルギーの供給力は極めて大きくなっている。今のところ、それは太陽光発電の供給力が増える時間帯に集中している。自然エネルギーの電力がより多くの時間において供給力を高めるためには、太陽光発電のみならず、風力発電やバイオエネルギー発電など多様な電源の普及促進が望ましい。

電力エリア別の第1四半期の自然エネルギー比率

 2018年度第1四半期(4~6月)における自然エネルギーの割合(エリア需要に対する供給量の割合)は全国で23%に達した。電力エリア別に見ると、もっとも自然エネルギー比率が高かったのは、北陸電力エリアで48%であった。続いて、東北電力エリアが多く39%であった。他の電力エリアでも、東京電力エリアや沖縄電力エリアを除いて、2割以上が自然エネルギーでまかなわれていた。電力需要が多い中部電力エリア(308億kWh)や関西電力エリア(329億kWh)においても、需要の約2割が自然エネルギーでまかなわれたことは特筆すべきである。一方で、自然エネルギーの割合がもっとも低かったのは沖縄電力エリアで、7%だった。

 なお、東北電力、四国電力、九州電力エリアでは、需要を超える発電が行われ、地域間連系線をつうじて他エリアに電力が移出されている傾向がみられる。これらの電力は、主に東京電力、関西電力、中国電力エリアで消費されているとみられる。
 
第1四半期におけるエリア別電力需給
注:各エリアの電力需要を100%として、各電源の発電量や連系線の利用量を示した

自然エネルギーが最大比率を示した時間

 1時間あたりの自然エネルギーの割合は、全国レベルでは最大で62%に達した(2018年5月5日12時台)。エリア別でもっとも高かったのは、四国電力エリアである。四国電力エリアでは、5月20日10時台で自然エネルギーの発電量がエリア需要の102%に達した。続いて高かったのは、九州電力エリアで、5月3日12時台に自然エネルギー発電割合が96%に達した。そして、東京電力エリアや関西電力エリアといった電力需要が多い地域でも、約半分の需要が一時的に自然エネルギーでまかなわれていた時間があった。

 いずれのエリアにおいても最大割合に達した時間には共通点がある。電力需要が低い日曜日で、かつ昼間に晴れて太陽光発電の発電出力が増大した時間帯である。自然エネルギー発電量がエリア需要を超えた四国電力の例では、5月20日は日曜日であり、当該エリアの10時から13時の電力需要はおよそ220万kW程度であった。第1四半期の平均的な昼間の需要が300万kW程度であるのにくらべて、この日の需要は30%程度低かった。これに対して、太陽光発電が約160万kW以上、水力発電が約50万kW以上、風力発電とバイオエネルギー発電が合わせて約10万kW発電しており、合計およそ220万kWの発電が行われていた。その結果、4時間にわたり、自然エネルギーだけで95%超の電力需要をまかなっていた。

1時間値における自然エネルギー最大割合及びその時間
 
四国電力エリアの需給(2018年5月20日)

自然エネルギーが最小比率を示した時間:初夏の夜間・深夜の比率の低下が課題

1時間あたりの自然エネルギーの割合がもっとも低かったのは、全国レベルでは6月19日で、10%であった。エリア別にみると、沖縄電力エリアが最も低く6月28日20時時点で0.4%しかなかった。続いて東京電力エリアでは6月26日21時台が4%で最低であった。

 自然エネルギー電力割合が最小となった時期に共通する傾向は、水力発電と太陽光発電からの供給が低下していた時間帯と合致し、深夜であることがおおい。また、昼間であっても天候不順により日射が少ない場合、太陽光からの供給が大幅に低下している。他方で、東北電力エリアでは、自然エネルギー電力割合が最小でも21%と比較的高い(6月26日21時台)。水力発電の比率がもともと高い上にバイオエネルギー発電が一定の供給を担っていることが影響しているものと考えられる。
 
1時間値における自然エネルギー最小割合及びその時間
 
東京電力の2018年6月26日のエリア需給
自然エネルギー比率最低時は21時台
 
東北電力の2018年6月26日のエリア需給
自然エネルギー比率最低時は21時台

まとめ

  •  四国電力エリアでは、はじめて自然エネルギー比率が一時的ではあれ100%を超えた。他の電力エリアでも80%を超える地域が多発している。巨大な電力需要を抱える中部電力エリアでも70%を超えるなど、昼間の太陽光発電の電力供給力が極めて大きくなっていることがわかる。
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  •  ただし、四半期全体では、一時的に100%を超えた四国電力エリアでも、全時間でみると27%となっている。現在のところ、自然エネルギー割合が高まっている時間帯は昼間に集中しており、その他の時間帯での自然エネルギー割合の増加が今後の課題である。特に夕方から夜間の電力需要をまかなうことが重要である。このためには、比較的時間帯を問わず発電する風力発電やバイオマス発電などを増やしていくことで、全時間帯における自然エネルギー割合の増大が期待できる。

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギーで豊かな日本を創ろう!アクション
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织