コメント中東危機:今こそエネルギー転換の加速を自然エネルギー拡大こそ化石燃料依存からの脱却の切り札

2026年3月18日

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 米国とイスラエルによるイラン攻撃が引き起こした中東危機が、世界のエネルギー安定供給を脅かしている。日本のエネルギー自給率は15.3%であり欧米、中国などと比べ極端に低い。原油の備蓄は約250日分あるものの、天然ガスは3週間分しか備えがない。仮に供給量が確保されたとしても、価格高騰の影響は免れず既に顕在化しつつある。

 政府は石油備蓄の放出、化石燃料供給の代替ルートの確保、ガソリン価格への補助金支給などの対策を進めようとしている。当面の対応策としては必要性があるものもあるが、いずれにしても対処療法に留まる。1973年の第1次オイルショック以来、我が国は国際情勢の変動により何回も化石燃料価格の乱高下、安定供給の危機に直面してきた。その根幹にあるのは、エネルギー自給率の低さであり、70年代初頭の15~17%という水準から半世紀を経ても改善されていない。

 日本が第1次オイルショック直後に開始したサンシャイン計画は、太陽光発電の実用化に道を開き、風力発電、地熱発電の開発も取組み強化が始まった。昨年公表された国連の報告書「転換の好機をつかむ」が明言しているように、今や自然エネルギーが最も安価で、最も早く開発できる電源となっている。報告書は、自然エネルギーの活用こそが、化石燃料依存のもたらす脆弱性を克服し、エネルギー安全保障の確立という便益をもたらすと指摘している。

 昨年、自然エネルギー財団が公表した2040年シナリオは、国内に存在する太陽光発電、風力発電などのポテンシャルを活用し、送電網・蓄電池整備を進めれば、エネルギー効率化、電化の推進とあわせ、2040年にはエネルギー自給率を75%程度まで引き上げることができることを明らかにしている。

 高市総理は、昨年10月、自民党総裁選に立候補した際に、「資源国に頭を下げる外交を終わらせたい」と述べ、エネルギーの国内自給率100%を目指すと訴えた。中東危機を受けて、既に韓国政府は「再生可能エネルギーへの迅速かつ大規模な転換を進める」という方針を打ち出したと報じられている。ASEANも3月13日に開催された経済相会議の声明で、今回の事態を受け、再生可能エネルギーへの転換を加速するとの方針を表明している。

 中東危機が化石燃料輸入への依存がもたらすリスクを改めて明らかにしている今こそ、日本が先鞭をつけた自然エネルギー技術の恩恵を、日本自身が最大限に享受する政策へと転換すべきではないか。

 ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)拡大、住宅・建築物での太陽光発電義務化、陸上・洋上風力発電開発の加速、地熱発電促進のための法整備など、エネルギー自給率引き上げに向け、政府ができること、やるべき規制改革は数多い。

 自然エネルギー拡大はエネルギー安全保障・経済成長・脱炭素の同時実現をめざすGX戦略の切り札である。化石燃料への依存低減という抜本的対策の実行を政府に期待する。
 

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织