全国各地の先進事例を紹介する「ソーラーシェアリング最前線」の第2回目は、石川県の白山市で150年以上にわたって日本酒を製造している「吉田酒造店」です。2024年4月に、酒蔵に隣接する自社の田んぼ2カ所のうちの1カ所に太陽光パネルを垂直型で設置して、酒米の栽培と太陽光による発電を開始しました。石川県固有の品種の酒米を2カ所の田んぼで栽培した結果、太陽光パネルによる収穫量の差は生じませんでした。
白山市は冬に降雪量が多い地域ですが、太陽光パネルを垂直に設置することで積雪の影響を防ぐことができます。さらに両面受光型の太陽光パネルを採用して、地面に積もった雪による反射光で発電電力量を増やす効果もあります。発電した電力は全量を自家消費して、高騰する電気料金を抑制します。日本酒の冷蔵施設の屋根にも太陽光発電設備を導入して、両方を合わせて吉田酒造店の年間の電力使用量の15%をまかなっています。不足する分は小売電気事業者から自然エネルギーの電力を購入して、自然エネルギー100%で酒造りに取り組んでいます。
石川県白山市 「吉田酒造店」
酒米を栽培、雪国で垂直型の太陽光パネル
