自然エネルギー財団は本年3月に報告書「ソーラーシェアリングで農業を再生:太陽光のエネルギーで地方創生へ」を公表しました。全国14カ所のソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)のプロジェクトを現地で視察し、成功要因や課題をまとめました。ソーラーシェアリングが日本の農業の再生と地域の活性化に果たす役割は大きく、太陽光発電の拡大にも貢献します。今後さらに優良な事例を増やすために、全国各地の先進的なプロジェクトをシリーズで取り上げていきます。
第1回目の事例は、神奈川県の相模原市でブルーベリーを栽培する「さがみこファーム」です。6年前の2019年に、それまで農作物を栽培していなかった荒廃した農地を利用して、ブルーベリーの栽培を始めました。農地の上部に太陽光パネルを設置して、発電した電力を固定価格買取制度やコーポレートPPA(電力購入契約)で売電しています。栽培するブルーベリーの本数は合計で1100本。農業による安定した収入を目指して、冷凍ブルーベリーやジャムに加工してオンラインで販売しています。さらに2023年には観光農園をオープンして、会員制による集客、地域の学校の環境学習にも取り組み始めました。