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統計を読む 2021年度第一四半期、ついに自然エネルギーが石炭火力を超えた

木村 啓二 自然エネルギー財団 上級研究員 / ロマン・ジスラー 自然エネルギー財団 上級研究員

2021年10月25日


 2021年度第一四半期(2021年4月~6月)、日本国内における自然エネルギーの純発電電力量1が石炭火力発電からの純発電電力量を超えた可能性がある。このことは、自然エネルギーが日本の主力電源として成長しつつあることを示す歴史的なメルクマールである。他方で、年間を通した自然エネルギー電力の供給拡大のためには、風力発電の拡大が有効である。

 国際エネルギー機関(IEA)の電力月報によると、2021年度第一四半期(2021年4月~6月)における、日本の自然エネルギーの純発電電力量は62.2TWh(622億kWh)であったのに対して、石炭火力の純発電電力量は60.4TWh(604億kWh)であった(図1)。総純発電電力量に占める割合は、自然エネルギー28%、石炭火力27%と自然エネルギーがわずかに上回っている。これにより、同時期においては、自然エネルギーは、天然ガス火力に次ぐ第二の電源となった可能性が高い。
 
図1 2021年度第一四半期の資源別純発電電力量
出所:IEA, Monthly Electricity Statistics, より作成

 過去10年の経緯をみると、再エネ特措法導入以降に、自然エネルギーの発電電力量が増え始めたことがわかる。2010年度の状況をみると、第一四半期の自然エネルギーの純発電電力量は、33.4TWhで、天然ガス、原子力、石炭に次ぐ4番目の電源に過ぎなかった(図2)。再エネ特措法が2012年7月より施行された。自然エネルギーの純発電電力量は2013年度第一四半期まで30TWh前半にとどまり、14年度から持続的な増大が始まった。14年度第一四半期以降のほぼ持続的な成長は、明らかに再エネ特措法による固定価格買取制度のたまものといえる。

 電源全体における位置づけとして、2021年度第一四半期の自然エネルギーの純発電電力量は、2010年度第一四半期の原子力のそれとほぼ同レベルであり、かつて原子力が担っていた電力供給の位置づけを自然エネルギーがとってかわりつつあることを示している。

 
図2 各年度第一四半期の資源別純発電電力量
出所:IEA, Monthly Electricity Statistics, より作成

 とはいえ、もともと第一四半期は、自然エネルギーの純発電電力量が四半期レベルではもっとも大きくなる時期であることは確かである。これは現在の自然エネルギー電源の主力が太陽光発電と水力発電であるからである。両電源とも、四季のうち春がもっとも発電量が多くなる傾向があり、秋から冬にかけて発電電力量が落ちていく(図3)。特に水力発電からの発電電力量は、秋冬(第三・第四四半期)に大きく下がる。
四季を通して自然エネルギー電源からの安定した電力供給を実現するためには、秋冬に発電電力量が増加する風力発電の増大が不可欠である(図3)。しかしながら、日本における風力発電の純発電電力量は2020年度の1年間でも8.6TWhでしかない。今後、太陽光発電のみならず、風力発電の導入拡大に一層の注力をするべきである。

 
図3 2020年度の月別純発電電力量の推移 (4月を100とした相対量)
 
出所:IEA, Monthly Electricity Statistics, より作成
  • 1純発電電力量とは、発電所で発電された発電電力量から、発電所所内で消費された電力量を控除した値である。なお、IEAの数値には、自家発電の自家消費量も含まれる。


 

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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