公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、「米国の電力は2035年までに脱炭素へ:自然エネルギーの経済性と技術を生かす」を公表しました。
米国は2035年までに電力セクターの脱炭素化を達成する方針です。2023年の時点では国全体の電力消費量に占める脱炭素技術の比率は41%で、そのうち自然エネルギーが23%、原子力が18%でした。脱炭素の目標は意欲的であり、課題も数多くあります。
本レポートでは米国の電力セクターにおけるエネルギー転換の状況を分析しました。太陽光発電、風力発電、蓄電池が経済的にも技術的にも進展して、脱炭素の目標達成が十分に可能になったことを明らかにしました。
主なトピックとして、インフレ抑制法、産業における新たな機会創出、電力システム改革、系統増強、さらに大統領選の影響についても取り上げました。
このレポートが日本のエネルギー基本計画の議論の参考になることを願っています。
米国の電力は2035年までに脱炭素へ
自然エネルギーの経済性と技術を生かす
<目次>
はじめに
主な分析結果
第1章:脱炭素を自然エネルギーで実現
1. 自然エネルギーの電力が大幅に増加
2. 陸上風力発電と太陽光発電のコスト競争力
3. 主要な政策はインフレ抑制法
4. 新たな産業の時代に向けて
第2章:蓄電池と市場ルールで自然エネルギーを統合
1. 蓄電池が飛躍的に拡大
2. 天然ガスの低下と石炭の衰退で火力発電が危機
3. 原子力発電の役割は限定的
4. 電力システム改革による柔軟性の向上
第3章:電力系統の増強と拡大
1. 米国の電力系統の全体像
2. 系統接続が自然エネルギー拡大の障壁に
3. 最新の系統技術と送電線
第4章:連邦政府による自然エネルギーの推進
1. オバマ、トランプ、バイデン政権下の実績
2. 連邦政府に対する州政府の決定力
3. 脱炭素ビジネスを推進する企業のリーダーシップ
おわりに