研究レポート着床式洋上風力発電における地域経済分析

2024年6月25日

公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、日本における「着床式洋上風力発電導入の地域経済分析」を公表しました。

世界の洋上風力発電の導入量は2023年末で約75GWに達しました。2030年までに世界で約300GW導入されると見込まれています。そのなかで、日本も脱炭素社会への移行とエネルギー安全保障の観点から、領海内だけで176GWのポテンシャルがある着床式洋上風力発電の拡大は必須です。日本では、2040年までには最大45GWの案件形成を目標にしており、2030年までに約5GWの発電所稼働が見込まれています。

しかし、海の先行利用者である漁業者をはじめとする地域住民の理解が進んでいない地域が多く、洋上風力発電所を設置するための新たな海域の指定が進んでいません。同時に、洋上風力発電によって地域にどの程度の新しい便益がもたらされるのかも地域住民や自治体にとって重要な関心事です。洋上風力発電の案件形成の拡大と海域指定のスピードアップのためには、洋上風力発電によって地域にどのような恩恵がもたらされるかを示すことが必要不可欠で、地域の理解なくして海域指定のスピードアップは難しいと考えられます。

本レポートでは、そのような背景から、地域付加価値分析モデルと事業コストデータを用いて、洋上風力発電事業導入によって新たに生まれる地域付加価値の効果を可視化しました。さらに、発電事業に関わる工事がそれぞれどの程度地域付加価値をもたらすかを示しました。これらの分析は、各地域の経済状況や産業構造に合わせて、洋上風力発電事業のどの部分に関われば、どの程度の地域付加価値が見込めるか検討する際に活用します。また、本レポートの分析結果から、海域指定のスピードアップのために必要な取り組みについても提案しています。

日本には人口減少と産業衰退で元気のない地域が多い中で、洋上風力発電は地域の未来を担う新たな産業となる可能性があります。地域として洋上風力発電とどのように共生するか検討する際に、本レポートが判断材料の一つになることを期待します。


担当研究員:山東 晃大 自然エネルギー財団 上級研究員
 

<目次>
第1章:国内における洋上風力発電の現状と課題
 第1節:国内外における洋上風力発電の現状
 第2節:日本の洋上風力発電が抱える課題
 第3節:本レポートの目的
第2章:洋上風力発電事業における地域付加価値分析モデル
 第1節:分析の対象
 第2節:前提条件と使用データ
 第3節:基本モデルの試算結果
第3章:ケース別の地域付加価値分析
 第1節:各事業工程別の地域付加価値
 第2節:各地域ケース別の地域付加価値分析
第4章:まとめ    
Appendix 1:地域付加価値分析
 第1節:産業連関分析と地域付加価値分析
 第2節:地域付加価値分析で扱う5つの事業段階
 第3節:地域調達率
 第4節:期待される地域付加価値
 第5節:地域付加価値の内訳
Appendix 2:基本モデルの各事業段階のコスト補正
図表一覧
 

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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