RE-Users自然エネルギーの電力利用に関する課題と提言脱炭素に取り組む企業の声

2023年6月7日

in English

自然エネルギーユーザー企業ネットワーク(事務局:自然エネルギー財団)は、脱炭素に先進的に取り組む企業27社による議論をもとに、自然エネルギーの電力利用に関する課題を洗い出し、政府と電力供給事業者に対する提言を取りまとめた

*自然エネルギーの電力の利用拡大に取り組む企業の担当者が参加する「自然エネルギーユーザー企業ネットワーク」(略称:RE-Users、参加者数:約2500人)の活動の一環で、大手企業27社による「課題検討ワーキンググループ」(2023 年2月~5月)で検討した結果をまとめたものである。RE-Usersを運営する自然エネルギー財団が事務局として取りまとめを担当。

「課題検討ワーキンググループ」の参加企業 
アマゾン ウェブ サービス ジャパン、イオン、花王、キリンビール、コニカミノルタ 、セイコーエプソン、積水ハウス、セブン&アイ・ホールディングス、ソニーグループ 、大和ハウス工業、ヒューリック プロパティ ソリューション、富士通、丸井グループ、三井住友海上火災保険、三菱地所、村田製作所、ユニリーバ・ジャパン、リコー 、 ほか
合計 27 社 (50 音順、公表可能な企業名のみ記載)

世界全体で脱炭素の取り組みが加速する状況のなかで、数多くの企業が自然エネルギーの電力を積極的に利用して脱炭素を推進している。顧客や取引先、投資家などからの要請もあり、自然エネルギーの電力の利用率を高めることが企業経営の重要な課題になっている。しかし日本では自然エネルギーの電力の比率が 2 割程度と低く、購入価格も相対的に高い。 

企業が自然エネルギーの電力を利用するうえで直面する課題は多くある。自然エネルギーの電力利用に先進的に取り組む企業27社の意見をもとに、現在の主要な課題を10項目に集約した。新しい電力の購入方法であるコーポレート PPA(電力購入契約)に関する課題のほか、非化石証書の制度や新電力の競争力など政策に関する課題がある。これらの課題を解決するために、5項目の施策を政府と電力供給事業者に提言する。 

脱炭素の潮流に遅れることなく、自然エネルギーの電力を利用してビジネスの脱炭素化を迅速に進めることによって、日本全体の産業競争力の強化につながる。官民が連携して自然エネルギーの電力の利用を加速させることが、今まさに求められている。

[コーポレートPPAに関する課題]
1.契約締結までに相当な手間と時間がかかる。
2.発電設備を建設できる適地が限られている。
3.電力供給事業者の協力を得られない。(フィジカルPPAの場合)
4.購入費用に対する会計上の取り扱いなどが定まっていない。(バーチャルPPAの場合)

[電力調達全般に関する課題]
5.追加性のある電力の調達手段が限られている。
6.太陽光以外の電力の供給量が増えていない。
7.非化石証書の制度が複雑で利便性に欠ける。
8.環境影響や人権問題に関する懸念が高まっている。
9.新電力の競争力が低下している。
10.国内外の制度が頻繁に変更される。

■ 提言(政府と電力供給事業者に対する要望)
1.コーポレート PPA のガイドラインを策定して公表する。
2.追加性のある自然エネルギーの電力の開発を促進する。
3.非化石証書の制度を国際的な要件に合わせて改善する。
4.電力供給事業者が公平に競争できる環境を整備する。
5.国内の自然エネルギー関連技術の開発力を強化する。

以上の課題と提言について、それぞれの重要性と具体的な問題点を、こちらで補足説明する。

<関連イベント情報> 
RE-Usersサミット2023:脱炭素に効果的な自然エネルギーの調達(2023年6月14日)

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织

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