公益財団法人 自然エネルギー財団は、電力のユーザーである企業や自治体を対象に、自然エネルギーの電力を効率的に調達して利用するための最新情報を網羅した「電力調達ガイドブック 第5版(2022年版)」を発行しました。
数多くの企業や自治体が脱炭素の手段として、自然エネルギーの電力を積極的に使い始めています。小売電気事業者が自然エネルギー100%の電力を相次いで販売して、さまざまなタイプのメニューを選択できるようになりました。その一方で太陽光発電のコストが低下して、自家発電した電力を自家消費するメリットが高まっています。同様の理由から自然エネルギーの電力を長期契約で購入するコーポレートPPA(電力購入契約)を採用する企業が米国や欧州に続いて日本でも増えてきました。
このガイドブックでは、自然エネルギーの電力を調達する4種類の方法(自家発電、小売メニュー、証書、コーポレートPPA)について事例を交えながら詳しく解説しています。新たに発行した第5版では、それぞれの調達方法の特徴をもとに、調達計画の策定手順や電力の選択基準を具体的に示しました。先進的な企業が重視する選択基準として追加性や地域貢献について説明しています。さらに自然エネルギー100%の電力メニューや非化石証書の最新情報も加えました。コーポレートPPAについては3種類の契約形態(オンサイト、フィジカル、バーチャル)のメリットや課題を中心に内容を刷新しました。
電力調達ガイドブック 第5版(2022年版)
自然エネルギーの電力を増やす企業・自治体向け
第1章:ガイドブックの目的と背景
第2章:自然エネルギーの種類と選択基準
・自然エネルギーによる発電方法
・自然エネルギーの環境負荷
・自然エネルギーの選択基準
第3章:自然エネルギーの電力を調達する方法
3-1.自家発電・自家消費
・太陽光発電の電力を自家消費
・低下する自然エネルギーの発電コスト
3-2.小売電気事業者のメニューから選択
・FITの対象になる電力(FIT電気)
・FITの対象外の電力(非FIT電気)
・水力発電が主体の電力
・地域の連携による電力
・非化石証書の課題と注意点
3-3.自然エネルギー由来の証書を購入
・環境負荷を確認できる「グリーン電力証書」
・自家消費の電力から創出する「J-クレジット」
3-4.コーポレートPPA(電力購入契約)
・オンサイトPPAとオフサイトPPA
・オフサイトPPAのコスト低減策
・環境価値だけを取引するバーチャルPPA
3-5.調達にあたって考慮すべき留意点
・証書によるCO2排出量の算定方法
・発電方法で選ぶかCO2排出量で選ぶか
・自然エネルギーの電力に求められる要件
第4章:自然エネルギーを重視するCDPの企業評価
・CO2排出量の算定方法
・自然エネルギーの評価方法
第5章:世界に広がる自然エネルギーの電力
・欧州の認証・評価制度
・北米の認証・評価制度
・その他の地域の認証・評価制度
・国際的な推進プロジェクト
・ユーザー企業の情報ネットワーク