アンケート結果報告「太陽光発電事業の現況とコスト2014」

 太陽光発電の事業環境は、固定価格買取制度(FIT)のもとで大きく変化し続けている。このような市場環境の変化が太陽光発電に関わる事業者に与える影響について把握することは、FITの政策評価および政策のあり方を考えるうえで重要な基礎情報となりうる。そこで、当財団は、2013年度に引き続き、太陽光発電の販売・施工・発電事業を行う企業等に対してアンケート調査を実施し、太陽光発電事業者の事業環境・太陽光発電のコストを把握・分析した。アンケートは2014年10月下旬から実施し、11月中旬にかけてアンケートを回収した。有効回答件数は125件で、全送付数888件に対して回答率は14%となった。

本文 「太陽光発電事業の現況とコスト2014」 (4.1MB)

(1)買取制度下における市場環境
FIT導入後の太陽光発電市場の変化として、①同業他社間での競争が活発化、②太陽光発電に関する製品・部品の多様化、③太陽光発電の技術進歩が進み、コストが低減していることがわかった。

(2)事業進捗を妨げているのは系統接続問題
設備認定から運転開始までの期間は、大規模な太陽光発電でも2年程度が標準であることがわかった。他方で、事業が進捗しない案件を多数抱えている事業者もあった。事業進捗がみられない主な理由は、系統接続の不調(接続費用や接続工事期間・接続契約の保留など系統接続が不調)であることがわかった。

(3)政策リスクにより今後の市場展望が見通せなくなっている
太陽光発電関連事業者の8割は、今後太陽光発電市場が縮小するとみており、極めて悲観的な市場展望を有している。こうした見方に大きな影響を与えているは、政府の自然エネルギーに対する消極的な姿勢や対応であることが浮かび上がってきた。これらの結果から政府に求められることは、自然エネルギーの最大限の普及拡大を行うための中長期的な明確な目標を示し、それを実現させるために電力会社に対しても強力なイニシアチブを発揮し、固定価格買取制度を安定的に運用することである。

(4)太陽光発電のコストは下落傾向
太陽光発電のシステムコストは全体的に下落傾向を示している。2013年度上半期から2014年度上半期(10月含む)にかけて、平均システム単価は、低圧設備(10~50kW)で7%、高圧設備(50~500kW)では8%、高圧設備(500~2000kW)では15%下落している。これはモジュールやパワコンといった機器単価の下落が大きく影響しているとみられる。

(5)コスト差はモジュールと工事費が影響
他方で、同じ規模帯によっても、コスト低位設備とコスト高位設備とに大きなコスト差がある。コスト高位設備では比較的高めのモジュールを利用しており、その多くが日本メーカー製である。工事費についても、コスト低位設備と高位設備では差が出やすい費目である。こうした差がでてくる要因については必ずしも明らかではないが、事業者によって施工期間に差があることが影響している可能性があることがわかった。施工の技術や習熟度が工事費単価に業者間の違いを生み出している可能性がある。



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公益財団法人  自然エネルギー財団
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