ソーラーシェアリングの遮光、適切な設計と栽培で効果を発揮「遮光率30%未満」規制の不合理

2026年7月30日

in English

公益財団法人 自然エネルギー財団はこのたび、報告書「ソーラーシェアリングの遮光、適切な設計と栽培で効果を発揮:遮光率30%未満規制の不合理」を公表しました。

ソーラーシェアリングは2013年度に国が制度を開始して以降、全国各地で導入が進み、2024年度の累積導入件数は6000件を超えました。このように導入が広がるなか、太陽光パネルによる遮光が作物の収量や品質に影響を与えることを理由に、規制の強化が検討されています。農林水産省は「望ましい営農型太陽光発電」の考え方として、遮光率を一律で30%未満とする案を示しています。しかし、作物が必要とする日射量は品種などによって異なります。設備の設計や栽培方法で生育への影響を抑えることができます。遮光が品質を高める効果を発揮している事例も少なくありません。

本報告書では、国内外の研究と全国の事例をもとに、太陽光パネルによる遮光が作物の生育に与える影響を整理しました。水稲、大豆、茶、コーヒー、ホウレンソウなど、多様な作物の事例を取り上げています。遮光率だけで作物の収量や品質を判断することは適切ではなく、作物の特性に応じた設備の設計や栽培方法が重要であることを示しました。遮光によって土壌水分の蒸発を抑えられるほか、葉焼けや高温による生育への影響を軽減する効果も見られます。

ソーラーシェアリングでは農業の収入に加えて発電による収益を得られるため、農業経営の安定化や担い手の確保、遊休農地の再生など、日本の農業を活性化する有効な手段になります。遮光率を一律に規制するのではなく、地域、作物、設備設計、栽培方法などを総合的に評価することが重要です。政府や自治体が主導して全国各地の実績データを蓄積・活用し、地域の条件に応じたソーラーシェアリングの普及を後押しすることが求められます。

<目次>
はじめに    
第1章 遮光と生育のメカニズム
 遮光しても作物が育つ仕組み
 論点1  作物に適した遮光率
 論点2  土壌水分の蒸発を抑制
 論点3  遮光率30%未満でも生育不良は起こる
第2章 遮光率30%以上の事例に見る成功要因
 成功要因1  作物の特性に合わせて設備を設計
 成功要因2  遮光を生かせる栽培条件を整える
おわりに:望ましい制度に向けて


<関連リンク>
[提言]ソーラーシェアリングの規制緩和を、新たな農業の成功事例を増やすために(2026年3月5日)
[特設ページ]太陽光

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织