公益財団法人 自然エネルギー財団は本日、報告書「2030年における電力需給バランスとコストの検証」を公表しました。
財団は、2020年8月に公表した「2030年エネルギーミックスへの提案(第1版)」で、自然エネルギーで電力の45%を供給する「持続可能なエネルギーミックス」を提起しました。
今回の報告書は、この「持続可能なエネルギーミックス」において、「あらゆる時間帯における安定供給」、および「アフォーダブルなエネルギー供給」が可能かどうか、という2点について、広域的な電力需給モデルによる検証を行った結果を報告するものです。
検証の結果、従来「ベースロード電源」と呼ばれてきた原子力や石炭火力をほぼ利用することなく、需給バランスを維持できる可能性が示されました。また、経済性については、自然エネルギー電力で45%を供給しても、電力コスト(電力調達費用+再エネ賦課金)は、2019年度よりも下回る可能性があることがわかりました。
今回の報告書が、現在、議論が進められているエネルギー基本計画の改定において、より良いエネルギー政策の選択に向けた一助となることを期待しています。
<目次>
はじめに:背景と目的
1 検討の方法と条件
1.1 広域需給モデルによる分析
1.2 主なインプットデータ
1.3 持続可能なエネルギーミックスの評価条件
2 安定供給の検証結果
2.1 2030年度の電源構成
2.2 2030年度の電源構成(電力エリアごと)
2.3 夏季最大需要期における需給構造
2.4 冬季最大需要期における需給構造
2.5 春季最小需要期における需給構造
2.6 安定供給の検証結果
3 経済性(アフォーダブルかどうか)の検証
3.1 電力コストの範囲について
3.2 本報告で検討する電力コストの範囲
3.3 電力コストの検討手法
3.4 電力コストの検討結果
4 結論と今後の課題
参考文献
<関連リンク>
[Webinar]2030年エネルギーミックスはどうあるべきか:2050年実質排出ゼロを展望して(2020年12月18日)
2030年エネルギーミックスへの提案(第1版):自然エネルギーを基盤とする日本へ(2020年8月6日)