洋上風力開発と漁業との調整実態を発表自然エネルギー財団 中村涼夏研究員、環境アセスメント学会にて

2026年9月28日

in English

公益財団法人自然エネルギー財団の中村涼夏研究員は、2026年9月4日・5日に開催された環境アセスメント学会第25回大会において、「洋上風力開発における知事許可漁業との調整実態:先行4区域の事例分析から見る国の委託・実証事業が果たした役割」と題する口頭発表を行いました。

中村研究員は、漁業権漁業の範囲を越えて促進区域が指定された4事例(長崎県五島市沖、千葉県銚子市沖、新潟県村上市及び胎内市沖、青森県沖日本海(南側))を対象に、法定協議会の設置前に行われた国・県の委託・実証事業等が、知事許可漁業との初期調整に果たした役割を分析しました。分析にあたっては、各事業の報告書などの資料を収集・分析するとともに、自治体、漁業協同組合等へのインタビューを実施しました。

今後、洋上風力の導入海域が沖合へ広がれば、より広域で操業する漁業者との調整が重要になります。本発表では、法定協議会の設置前から操業実態を把握し、関係漁業者との調整を支える制度的な仕組みが重要であることを示しました。

主な知見

  • 対象とした4事例すべてで、国・県による先行事業を通じ、漁業権漁業の範囲を越える海域が洋上風力開発の検討対象とされていた。
  • 知事許可漁業の操業実態を把握するため、既存資料の活用、漁業者への聞き取り、アンケート、漁業調整規則・許可方針の確認など、地域の実情に応じた方法が用いられていた。また、関係漁業者への情報提供や協議、協働して行う調査など、法定協議会とは別に調整の機会が設けられていた。
  • 操業実態の把握方法や先行事業の役割は、地域の漁業実態や事業内容によって異なっていた。その一方で、先行事業による情報整理や人的・財政的支援が、関係漁業者を把握し、早期の調整を進めるための基盤となり得ることが示唆された。
 
環境アセスメント学会について
環境アセスメント学会は、大気、水、動植物、社会に関する調査・予測をはじめ、法制度や計画立案、環境アセスメントの仕組み・運用など、持続可能な開発の実現に関わる幅広い課題を扱っている学会です。同学会の2026年大会は、「地域共生型の洋上風力発電の実現に向けて:合意形成・価値創出へ」をテーマに開催されました。

外部リンク

  • JCI 気候変動イニシアティブ
  • 自然エネルギー協議会
  • 指定都市 自然エネルギー協議会
  • irelp
  • 全球能源互联网发展合作组织