再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)に対する提言

自然エネルギー財団では、今年 7月より施行される「再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)」への提言書をとりまとめました。 本提言書は、日本の自然エネルギー普及を確実なものとするために、FIT を先進的に取り入れて自然エネルギーの拡大に成功している、ドイツをはじめとした内外の専門家からの提案を踏まえて策定したものです。 現在、政府で進められている政省令にもとづく制度設計を、より良いものにすることを目的としています。

報道関係者の皆様におかれましては、是非ご取材の予定を賜りたく、ご案内申し上げます。



提言の概要

  1. 買取価格・買取期間の設定に際して:
    • 価格調整ルールを明確化し、将来価格見通しなどを示すなど、「透明性・長期性・確実性
      (Transparency, Longevity and Certainty: TLC)」の確保が不可欠である。
    • 買取価格は、プロジェクトIRRが7%程度を確保できる水準で設定する。
    • 買取期間は、少なくとも発電設備の法定耐用年数以上とし、原則として20年で設定する。
    • 地熱や小水力、バイオマスは、発電設備の導入費用の単価が設備規模により異なるため、
      規模に応じた買取価格の設定が必要である。
    • 既存設備の出力増強(リパワメント)は基準を定めた上で対象化する。
  2. 系統への接続義務・優先給電について:
    • 電気事業者の恣意性を排除するために、接続義務については、接続義務条項が
      該当しない例外ケースをガイドライン等により具体的に示す。
    • 接続拒否の場合の挙証責任は電気事業者側にあることとし、当該理由の書面による速やかな公表を義務付ける。
      また、改善に向けた具体的なタイムスケジュールの提示を義務化する。
    • 再生可能エネルギー電気の優先給電を保証する。
    • 出力抑制措置に対する再生可能エネルギー事業者への補償を行う。
    • 系統接続費用について、再生可能エネルギー事業者と電気事業者の責任分担を明確化する。
    • 送電網の系統容量等にかかるデータをウェブ上で公開するなど透明性を確保する。
  3. 手続き・組織のあり方について:
    • 系統接続にかかる紛争解決組織として電気事業者の影響を排除した第三者機関を設置する。
    • 系統接続にかかるガイドライン・ルールを策定する。

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